同性婚を認めないのは「違憲」 札幌地裁が初の判断

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札幌地方裁判所は17日、同性婚を認めないのは「違憲」とする判断を示した。
日本の憲法24条では、婚姻は「両性」の間で成立すると規定されている。世界の主要7カ国(G7)で同性婚を認めていないのは日本だけ。
原告の同性カップル3組は、この規定は同性婚を否定していないと主張。同性同士の婚姻届を受理しないのは憲法24条のほか、幸福追求権を定める13条、法の下の平等を定める14条に違反するとして、国に対して1人当たり100万円の損害賠償を請求していた。
札幌地裁は、このうち法の下の平等を定めた14条に違反すると判断を下した。一方、13条と24条については違憲には当たらないとし、原告の請求を棄却した。
原告団の1人だった中島愛さんはBBCの取材に対し、「日本にとって大きな一歩になった(中略)夢の実現に一歩近づいた」と話した。
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第2次世界大戦後に制定された日本の憲法には、婚姻は「両性の合意のみに基いて成立する」とある。
政府は、この条文が作られた当時は同性婚が「予測」されていなかったと説明している。
しかし原告の弁護団は、この文言は強制結婚を防ぐためのものだと述べ、憲法には同性婚を禁止する内容は含まれていないと主張していた。
日本では現在、各地で同様の訴訟が行われている。今回の判決は性的マイノリティー(LGBTQ)の活動家にとって大きな勝利になるとともに、今後の判決にも大きな影響を与えそうだ。
ジャーナリストでLGBTQの権利に詳しい北丸雄二さんはBBCニュースに対して、今回の判決について「実にうまい立論で戦略的でもある」と評価。「LGBTQ差別に反論する初めての法的根拠の一つ」だと説明した。
しかし、先は長い。
札幌地裁の判決を受けて、加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「政府としては、婚姻に関する民法の規定が憲法に反するものとは考えていない」と話した。一方で、原告の損害賠償請求が棄却され、「国が勝訴したため、控訴することができない」とした上で、他の裁判所で継続中の同種訴訟について「判断を注視していきたい」と述べた。
同性婚に関する法整備の必要性については、加藤長官は他の同種訴訟を注視すると述べるにとどまった。そうした同性婚に関する他の全ての訴訟で今後、各地の地裁が同性婚を合憲と判断したとしても、同性婚の法制化が保証されるわけではない。ジャパンタイムズは、政界は婚姻関連の法改正について「ほとんどやる気がない」と報じている。
LGBTQの権利活動家は、日本ではなお同性愛に対して保守的な態度が根強いと話す。多くの性的マイノリティーが、家族や友人に自分の性的指向を打ち明けられない状況だ。
2015年以降、日本の各地で同性カップルに対し、結婚に相当する関係と認める「パートナーシップ証明書」を発行する自治体が増えてきた。しかし、こうした証明書に法的拘束力はなく、結婚した男女カップルと同等の権利などは得られない。企業などに対し、男女カップルと同様に扱うよう促すのが狙いだ。
しかし最近の世論調査では、日本でも若年層の大半が同性婚に賛成している。

<解説>「実質勝訴」 ――白石早樹子(BBCニュース、日本)
同性婚を認めないのは「違憲」。
この一言を得るために、多くの人が長い年月をかけて闘ってきた。
同調圧力の強い日本では、どんな形であれ、少数派でいること自体が困難だ。まして、声をあげることは本当に難しいことだ。
だが、世の中の空気は変わりつつある。多くの人が多様性の重要さに気付き始めている。
今回の札幌地裁の判決ははっきりとした分岐点だ。賠償請求は退けられたが、違憲判決という大きな成果を勝ち取った実質勝訴だという声が次々に上がっている。
原告の国見亮佑さんは判決後、「異性愛者と同性愛者という『生まれながらの違い』で差別をすることは、憲法14条に違反すると裁判長がはっきりおっしゃってくれた。涙が止まらなかった」と語った。
これは間違いなく勝利だが、この先の道のりもまだ長い。









