ロシア野党指導者、当局者が毒殺行為を「自白」する音声を公開

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毒物による重篤な症状に見舞われたロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)が、身元を偽ってロシア連邦保安局(FSB)工作員に接触し、神経剤ノビチョクを使った自身に対する攻撃の詳細を聞き出した。調査報道団体「Bellingcat」が21日に報じた。
報道によると、ナワリヌイ氏はロシアの安全保障当局者になりすましてFSBの工作員に電話をかけた。
電話に応じたFSBのコンスタンティン・クドリャフツェフ氏は、ナワリヌイ氏の下着に毒物を入れたと話した。
現在もドイツ・ベルリンで療養中のナワリヌイ氏は、自身のユーチューブチャンネルに長時間にわたる電話の音声記録を投稿した。
衣服の回収も図ったか
ナワリヌイ氏は8月20日、ロシア・シベリア地方を飛び立った旅客機内で体調が悪化。当初はロシアの病院に運び込まれたが、2日後にドイツ・ベルリンのシャリテ病院に移送され治療を受けた。
暗殺未遂のさらなる詳細を引き出すためのナワリヌイ氏の策略の一貫として、クドリャフツェフ氏への電話の発信元がFSBの固定電話になるよう設定されていたと、Bellingcatは伝えている。
会話の中でナワリヌイ氏は、FSBの作戦に関する報告書のために詳細を尋ねる高官を装っていた。
クドリャフツェフ氏は、ナワリヌイ氏が最初に手当てを受けた航空会社のパイロットや中南部オムスクの救急医療チームの迅速な対応により、ナワリヌイ氏を殺害できなかった可能性があると話した。
また、ナワリヌイ氏の衣服を回収してノビチョクの痕跡を全て消すため、オムスクへ派遣されたとも述べた。
プーチン政権に不都合な可能性も
モスクワで取材するBBCのスティーブン・ローゼンバーグ記者は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を厳しく批判してきたナワリヌイ氏に対する毒殺行為との関連を否定し続けてきた同国政府にとって、今回の電話音声の公開は非常に不都合な事態だろうと指摘する。
プーチン氏は先週、テレビの大勢の視聴者に向けて、ほかの欧米諸国のメディアと共同で行われたBellingcatの調査は、アメリカの諜報機関による「策略」だと述べた。
一方で、FSBがナワリヌイ氏を尾行するのは正しいことだとも述べた。
先週公表されたBellingcatの報告は、化学兵器の専門家であるFSB工作員数人の実名を挙げ、ナワリヌイ氏の命を狙う何年も前から尾行していたと主張した。
ソーシャルメディアに数百万人のフォロワーを持つナワリヌイ氏は、与党・統一ロシア党はひどく腐敗しており、「詐欺師と泥棒」だらけだと非難している。そして、プーチン氏は「封権的」な誘導政治で「ロシア国民から搾取している」と主張している。
ナワリヌイ氏は毒を盛られる前、シベリアのトムスクなどの市議選でナワリヌイ氏派の候補が議席を獲得できるよう、キャンペーンを展開していた。






