トランプ氏、反人種差別デモの殺傷事件で自らの支持者を擁護

画像提供, Reuters
ドナルド・トランプ米大統領は8月31日の記者会見で、人種差別への抗議行動の最中に起きた死傷事件に同氏支持者が関わっていたとされることをめぐり、支持者を擁護する発言をした。
トランプ氏は、ウィスコンシン州で先週2人を射殺したとして起訴された少年や、オレゴン州で29日に起きた衝突に関わった同氏支持者らは、自己防衛のために行動していたと示唆した。
また、11月の大統領選挙で対決する民主党候補ジョー・バイデン前副大統領について、社会的混乱を招いているとされる極左活動家をはっきりと否定していないと指摘した。
世論調査ではバイデン氏がリードしている。
「平和的な行動だった」
この日のホワイトハウスでの記者会見では、オレゴン州ポートランドであった先週末の抗議デモにおいて、トランプ氏支持者らがデモ参加者らと衝突し、塗料が入った模造弾を発砲したことを非難するかとCNN記者が質問。
トランプ氏は、「支持者がたくさんいたことは知っているが、平和的な抗議行動だった」と答えた。トランプ氏はこれまでCNNについて、「Black Lives Matter」(黒人の命も大事)のデモにおける暴力行為を無視していると非難しており、あてこすりを言ったとみられる。
また、「防御としての塗料であり、塗料は銃弾ではない」、「あなたの支持者は――あの人たちは疑いなくあなたの支持者だが――若い紳士を撃ち殺した。塗料ではなく銃弾でだ。不名誉なことだと思う」と述べた。

ポートランドの抗議行動では、右翼団体「愛国者の祈り」のメンバー、アーロン・ダニエルソン氏が衝突の際に射殺された。容疑者は逮捕されていないが、極左活動家を主体とする緩やかなネットワーク「アンティファ」のメンバーを自称する人物による犯行とみられている。
「興味深い状況だった」
別の記者からは、ウィスコンシン州ケノーシャで3人が死傷した銃撃事件を非難するかとの質問が出た。
黒人男性ジェイコブ・ブレイク氏が警官に背後から銃撃された事件を発端にケノーシャで続いている抗議行動では、トランプ氏の集会に参加していた写真が浮上している、カイル・リッテンハウス被告(17)が先週、2人を射殺、1人を負傷させたとして訴追されている。
トランプ氏は、「すべてを注視している」、「あれは興味深い状況だった。あなたも私と同じ映像を見たと思うが、彼は集団から逃げようとしていたように見えた。彼は転び、集団は彼を激しく攻撃した」と発言。
「これについては現在、捜査中だ。彼は大変な苦境にあったと思う。おそらく殺されていたのではないか」と述べた。

民主党議員が激しく非難
こうしたトランプ氏の発言に対し、民主党下院議員からは激しい批判の声が上がった。
ジョー・ケネディ3世氏(マサチューセッツ州)は、「米大統領は、ライフル銃を州をまたいで不法に持ち運んだ白人による殺人2件を正当化している」とツイート。
エリック・スウォルウェル氏(カリフォルニア州)はトランプ氏について、共和党を「Mass Shooter Party」(銃乱射党)にしてしまったとツイートした。
バイデン氏もトランプ氏を攻撃
バイデン氏はこの日、ペンシルヴェニア州ピッツバーグでの演説で、抗議行動で起きた暴力行為を強く非難し、トランプ氏が国を危険な状態に陥れていると述べた。
また、トランプ陣営から「法と秩序」に弱腰だと批判されていることについては、「私が暴徒に弱い、急進的な社会主義者のように見えるか?」と問いかけた。
さらにトランプ氏について、「『法と秩序』と口にすれば自分が強くなると思っているかもしれないが、自らの支持者に対しては、この国で武装民兵のように振る舞うのをやめるよう求められない。彼がどれほど無力かがわかる」とした。
その上で、「ドナルド・トランプが再選されたら、アメリカ国内の暴力行為が減ると信じている人なんているだろうか」と付け加えた。










