アメリカ政府、中国当局者のビザ制限 香港の国家安全法めぐり

US Secretary of State Mike Pompeo speaks during a press conference in New York, 31 May 2018

画像提供, Getty Images

画像説明, ポンペオ米国務長官(5月31日撮影)

マイク・ポンペオ米国務長官は26日、香港の自由を侵害する責任者だと思われる中国共産党の当局者に対するビザ(査証)を制限すると発表した。長官は、この制裁は「過去の」党幹部も対称にすると話した。

ポンペオ氏は、中国共産党当局者へのビザ制限は、香港の自治を侵害すると懸念されている「香港国家安全法」に対するトランプ政権の制裁の一貫だと説明した。

中国政府は、アメリカの判断は「間違い」で撤回すべきだと反発している。

中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は28日からの審議で、「香港国家安全法」を検討する。

中国政府は同法を通じて、香港での反政府的な活動を犯罪として取り締まる考え。香港で初めて、中国の治安機関が設置される可能性もある。

こうした動きに対して香港では、民主派の抗議運動があらためて高まりを見せている。

ポンペオ長官の声明は、ビザ規制の対象になる中国当局者を名指しはしていない。これに先立ち25日には米上院が、香港の自治侵害に関わる中国当局者や、その当局者たちと取引のある金融機関などに制裁を科すよう米政府に求める「香港自治法案」を全会一致で可決している。

米政府の動きに対し、在ワシントンの中国大使館はツイッターに声明を掲載し、「アメリカ側の間違った判断に強く反対する」と主張。「アメリカ側にはただちに間違いを修正し、判断を撤回し、中国の内政問題に干渉するのを止めるよう求める」と述べた。

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Presentational white space

トランプ政権は5月、香港の自治は失われたと判断を示し、貿易や渡航などに関する香港の優遇措置を停止する方針を示した。

ドナルド・トランプ米大統領は、中国政府が香港に「一国二制度を約束しながら、それを一国一制度で置き換えようとしている」と批判。「これは香港にとって悲劇だ」、「中国は香港の自由を窒息させた」と述べた。

中国の全人代はすでに5月末に、「香港国家安全法」を制定する方針を採択している。

全人代の閉会期間に国の最高権力を行使する、全人代常務委員会は今月半ばに続き、28日から再び開かれる。そこで香港国家安全法案が審議される見通し。

香港ではもともと、治安維持の法律整備が想定されていたが、あまりに住民の反対が強く、自治政府は成立にこぎつけることができなかった。

香港では昨年春から犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案をめぐるデモなどが続いた。中国政府はこれを受け、国家権力に対する深刻な挑戦とみなす動きに対応できるよう、香港に必要な法的枠組みを確立しようとしている。

「香港国家安全法」が施行されれば、「反逆、分離独立、扇動、反政府」に相当するとされる行動はいずれも犯罪行為となる。中国からの分離、中央政府の権力や権限を損なう行為、暴力や威圧行動、香港に介入する外国勢力の活動などは、いずれも違法になる。

この法律の適用によって、中国大陸と同様に香港でも、政府批判は処罰対象になるのではないかと、多くの専門家が懸念している。