家庭内暴力ヘルプラインへのアクセス、2週間で10倍に 英慈善団体

タリア・スラック、アビー・ニューベリー(BBCサウス)

Woman on stairs

画像提供, Getty Images

イギリスで、「全国家庭内虐待ヘルプライン」のウェブサイトへのアクセス件数が過去2週間で10倍に増加したことが明らかになった。

ヘルプラインを運営する慈善団体「レフュージ(避難の意)」は、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中に家庭内暴力(DV)の相談件数の増加を記録し始めて以来、「再び大幅に急増」したと述べた。

同団体は、ロックダウンそのものがDVを引き起こしているわけではないものの、「虐待的なパートナーの常習的な言動を悪化させている可能性がある」としている。

ロックダウンに伴う社会情勢がDVの増加につながるのではないかとの懸念から、イギリス政府はDV対策に7600万ポンド(約100億6400万円)を投入している。

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画像説明, 「全国家庭内虐待ヘルプライン」にはオンラインや電話でアクセスできる

「レフュージ」によると、過去3週間連続で電話相談の件数は66%、過去2週間でウェブサイトへのアクセス」は957%増加した。

同団体のサンドラ・ホーリー会長は、DVに苦しむ女性の命は、安全な時間帯に連絡できる、こうしたヘルプラインやウェブサイトにかかっていると述べた。

「非常に多くの女性が専門家のサポートを求めていることから、レフュージのサービスがいかに重要かがうかがえる」

通報件数に地域差

警察のデータでは、DVに関する通報件数に大きな地域差があることがわかる。

情報自由法の下でBBCに公開されたイギリス国内41カ所の警察によると、19の管轄区域で今年3月のDVに関する通報件数が前年同月よりも増加していた。一方で22の管轄区域では減少していた。

このデータには、3月23日夜に発表されたロックダウンの最初の1週間分しか反映されていない。

サフォーク警察は今年3月に1114件の通報を受けた。前年同月の703件から58%増加した。しかし同警察はBBCに対し、件数の増加は、DVの記録方法を最近変更したことが影響していると説明した。

声明の中で、サフォーク警察は、「以前は『明らかな』DVを記録していたが、例えば通報はあったが明らかにDVとは判断できない場合には、DVとして分類されていなかった可能性がある」と付け加えた。

「我々はこれを今年1月に変更し、DVとは明確に判断できない事案についても、今ではDVとして扱うようになっている」

Domestic violence calls to 999 and 111. Police forces with the largest percentage rise in calls in March 2020 compared to March 2019. Note: Data was provided by 41 out of 45 police forces approached.

(家庭内暴力に関する通報の増加の割合を示したグラフ。2020年3月と2019年3月を比較したもの。上からサフォーク警察、エイヴォン・アンド・サマセット警察、ランカスター警察、グロスタシャー警察、グエント警察)

DVコンサルタントのクレア・ウォーカー氏は、通報件数に地域差があるのは、一部の警察が威圧的コントロールをDVの1つのかたちだと認識できていないことが一因だと述べた。

威圧的コントロールとは、脅迫や屈辱をあたえるなどの非暴力的なかたちで被害者の独立性を奪い、日常の行動を制御する虐待方法のこと。

Domestic violence calls to 999 and 111. Police forces with the largest percentage fall in calls in March 2020 compared to March 2019. Note: Data was provided by 41 out of 45 police forces approached.

(家庭内暴力に関する通報の減少の割合を示したグラフ。2020年3月と2019年3月を比較したもの。上からノッティンガムシャー警察、クリーランド警察、ハンプシャー警察、サウスヨークシャー警察、スコットランド警察)

ノッティンガムシャー警察の今年3月の通報件数は1161件と、前年同月の1824件から36%減少した。

全国警察本部長評議会(NPCC)でDV対策を主導しているウエスト・ミッドランズ警察のルイーザ・ロルフ副本部長は、英国内の警察は「積極的で革新的な仕事をたくさんしている」、「DVが我々の予測するレベルに留まっている一方で、ほかの多くの犯罪は劇的に減少している」と述べた。

「これらのヘルプラインへの需要増加が、地域内のDV増加によるものなのか、あるいはDVに関する認識や周知が高まっていることによるものなのか、それとも別の要因があるのか、現段階で完全に把握するのは難しい」

「少なくとも部分的には、保護や起訴に焦点を置いた警察の活動よりも、はるかに広範なサービスをヘルプラインが提供していることが影響しているのかもしれない」

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