ボリショイバレエ団の「ブラックフェイス」 黒人から「無神経」

Misty Copeland (R) and Brooklyn Mack during the rehearsal of Swan Lake at the Eisenhower Theatre at the Kennedy Centre, 7 April 2015

画像提供, Getty Images

画像説明, アフリカ系アメリカ人バレリーナのミスティ・コープランド氏(右)は、人々に不快な思いをさせていることを「指摘する」時が来たとしている

ロシアの名門ボリショイ劇場で、ブラックフェイス(黒人以外が黒人を真似る黒塗り)をしたバレエダンサーによる公演が140年以上続いている。これを黒人ダンサーが「無神経」だと批判したことから、ソーシャルメディアでは議論が巻き起こっている。

事の発端は、アフリカ系アメリカ人バレリーナのミスティ・コープランド氏が8日、全身を黒く塗った白人女性2人がリハーサルをしている画像を、「これがバレエ界の現実」とのコメント付きでインスタグラムに投稿したことだ。

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コープランド氏は、ロシアで公演されるバレエ作品「ラ・バヤデール」は人種問題に無神経だと批判している。

投稿には6万4000以上の「いいね」がつき、同氏には幅広い支持が集まった。

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コープランド氏はボリショイバレエ団との関わりはない。この画像はもともと、ロシア人バレエダンサー(14)がインスタグラムに投稿したとされる。暴言が多数書き込まれて削除された後に、コープランド氏が再投稿した。

長年同じやり方で公演

コープランドの批判を受け、ボリショイ劇場のウラジーミル・ウリン総裁は、同作品は長年にわたって同じやり方で公演してきたと説明。

ロシア国営メディアRIAノーボスチに対し、「バレエ作品『ラ・バヤデール』はこれまで、ロシア国内や国外でこのかたちで数千回も演じられてきた。ボリショイ劇場は、こういった議論には参加しないだろう」と述べた。

ウリン総裁は、「この発言の中にある種の深刻な侮辱が含まれていて、ただただくだらない」、「無礼な行為だと(中略)我々に文句を言ってきたり、そういった行為にとらえる人は今まで1人もいない」と述べた。

「ラ・バヤデール」はインドが舞台の悲劇の恋物語で、1877年のボリショイ劇場(当時はサンクトペテルブルク)での初演から、ダンサーは黒塗りを施して演じている。

「胸が痛い」

コープランド氏はその後、「バレエ界において非常にデリケートな問題なのはわかるけど(中略)私たちが人々に対して他の人に不快な思いをさせていると指摘できない限り、変化を起こすことはできない」とツイートした。

「多くの著名なバレエ団が有色人のバレエダンサーの入団を拒絶し、代わりにブラックフェイスを用いることを選んでいるという事実を考えると胸が痛い」

ロシア国内では擁護する声

一方、一部のロシアのバレエ団専門家やバレエダンサーは、ロシア国内では黒人のダンサーが不足していることから、黒塗りは必要だとして、ボリショイバレエ団を擁護している。

ロシア人バレリーナのスヴェトラーナ・ザハロワ氏は、ロシアのテレビ局モスクワ24に対し、「奇妙なものは何もない。これは我々にとってごく当たり前のこと。(中略)これは芸術なのだから」と述べた。

アフリカ系米国人初のプリンシパルに

一般的には遅いとされる13歳からバレエを始めたコープランド氏は、バレエ暦わずか8カ月で臨んだ初舞台「くるみ割り人形」で主役のクララを演じた。15歳で「Los Angeles Music Center Spotlight Award」のベストダンサー賞を受賞するなど、天才と評された。

2000年にニューヨークにある名門アメリカン・バレエ・シアターに入団すると、2015年にはアフリカ系アメリカ人女性として初めてプリンシパルに昇格した。

コープランド氏はこれまで、バレエ界で多様性が欠如していることや、米国内での人種問題などについて声を上げてきた。