米大統領選・民主党討論、主要候補が衝突 健康保険や銃規制めぐり

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2020年米大統領選に向けた野党・民主党の候補者によるテレビ討論会が12日、テキサス州ヒューストンで開かれた。
世論調査で支持率の高い10人の候補が参加。ジョー・バイデン前副大統領やエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)、バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州)などが一同に会し、議論を戦わせた。
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現在、最も支持率が高いのはバイデン氏で、ウォーレン議員、サンダース議員が続いている。
この日の討論会では、健康保険をめぐって各候補者が衝突。移民や気候変動、銃規制などの問題も取り上げられた。
中でもべト・オローク前下院議員(テキサス州)が発表した銃規制政策は、この日一番の喝采を浴びた。
なぜ健康保険制度が焦点に?
アメリカの健康保険改革については、穏健派と急進派で大きく意見が分かれた。
サンダース氏とウォーレン氏は共に、国民全員を対象とする無料の公的健康保険制度「Medicare for All」の導入を訴えている。既存の公的健康保険は現在、高齢者のみを対象にしている。

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一方、バイデン氏は、「Medicare for All」の導入はコストがかかりすぎるとサンダース氏を批判。代わりに、バラク・オバマ前大統領の政権下で2010年に成立した医療保険制度改革法、通称オバマケアを改善すべきだと論じた。
また、「ウォーレン氏がバーニーを支持することは分かっている。それなら、私はバラク派だ。オバマケアは機能している」とバイデン氏は述べた。
「この計画にも多額の資金が必要だが(中略)30兆ドル(約3200兆円)はかからない」
これに対しウォーレン氏は、アメリカの家庭は現在、法外な医療費を支払わなくてはならないと主張。「Medicare for All」で負担が増すのは富裕層や大企業だけだと反論した。
「Medicare for All」に対しては、エイミー・クロブシャー上院議員(ミネソタ州)も反対だと表明した。
銃規制で喝采
オローク氏は、地元テキサス州エルパソの商業地区で8月に発生した銃乱射事件についての質問で、自動小銃の規制に賛成すると話した。
この事件では20人が死亡し、26人が負傷。21歳の白人の男が現行犯逮捕されており、捜査当局は国内テロとして捜査している。
オローク氏が「ああもちろん、AR-15やAK-47を没収するつもりだ」と述べると、会場からは拍手が沸きあがった。
「これ以上、自動小銃を同じアメリカ国民に向けることを許してはいけない」
また、カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)はドナルド・トランプ大統領を引き合いに出し、「もちろん彼自身は引き金を引かないが、ツイッターで弾薬をまき散らしていることは確かだ」と述べた。
討論序盤の所信表明では、討論参加者の多くがトランプ大統領を攻撃。人種差別を助長し、国家を分断した指導者だと批判した。
他にはどんな話題が
- 起業家アンドリュー・ヤン氏は所信表明で、集まった政治資金で、毎月10世帯に1000ドル(約108万円)を配布する「freedom dividend(自由の配当)」を行うと発表。他の候補者の笑いを誘った
- ヴィーガン(動物性食品を避ける菜食主義者)のコーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州)はスペイン語話者の司会者から、アメリカ人は気候変動に対処するため肉食をやめるべきかと質問された。これに対しブッカー氏は、「まず言いたいのは、答えはノーだ。それからスペイン語のノーに訳してもらいたい」と返した
- バイデン氏は奴隷制度の負の遺産にどう立ち向かうかという質問に対し、教育が重要だと答えたが、その中で「子どもたちが聞き取れるように夜でもレコードプレーヤーをオンにしておくべきだ」と述べ、周囲を混乱させた
- オバマ政権で住宅相を務めたフリアン・カストロ氏は、インディアナ州サウスベンド市のピート・ブダジェッジ市長が、討論会は「見ていて面白いものではない」と批判したのに対し、「それが選挙というものです」と切り替えした
- カストロ氏はバイデン氏にも矛先を向け、ヘルスケアについてのやりとりで「2分前に言ったことも忘れている」と批判した。
- バイデン氏が交通事故で亡くなった先妻と子供について話している際、討論会会場に移民の権利を訴える抗議団体が立ち入り、バイデン氏の話を中断させた
- 候補者の中で唯一、同性愛者であることを公言しているブダジェッジ市長は最後の演説でカミングアウトについて言及。「私は誰かを愛することを知らないままでいることに、もう興味はなかった」と話した
現在、候補者争いに残っているのは20人。このうち、支持率の低い10人は今回の討論会に参加できなかった。










