サウジ記者「殺害時の音声」を詳報 「口はふさぐな」=トルコ紙

画像提供, Reuters
トルコ紙サバーは9日、昨年10月にトルコのサウジアラビア総領事館で殺害されたサウジ人記者の、死ぬ直前の様子とされる録音について詳しく報じた。
サウジ政府に批判的だったサウジ人記者ジャマル・カショジ氏は、昨年10月2日、トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館で殺害された。
トルコ政府寄りの新聞サバーは、今回報じた内容について、後にトルコ国家情報機構(MIT)が押収した、サウジ領事館内で録音された音声を書き起こしたものだとしている。
この中には、カショジ氏の最後の言葉とされる音声も含まれている。

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カショジ氏は「いけにえの動物」
報道によると、サウジから送り込まれた法医学の専門家などの「殺人部隊」の一部が、カショジ氏が到着する前に、同氏のことを「いけにえの動物」と呼んでいた。
カショジ氏は総領事館内に入ると、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)からの指名手配を理由に、首都リヤドに戻らなければならないと告げられた。同氏は不審に思ったとされる。
カショジ氏が、息子にテキストメッセージを送るなどの、「殺人部隊」からの要求を拒むと、薬を盛られたという。
報道によると、同氏は最後に、ぜんそくがあるから口はふさがないように言い、意識を失った。
切断の様子も
同氏は頭にかばんをかぶせられ、窒息死した。もみ合う様子が音声記録に残っていると、サバーは報じている。
同紙はさらに、カショジ氏が切断されるときの音声も録音されているとしている。
複数国に音声を提供
カショジ氏殺害時の音声記録の存在については、昨年以降、報じられてきた。
トルコ当局は、音声の存在を正式に認めたほか、アメリカやイギリス、サウジアラビアなどに提供したとしていた。
今回、サバーがどのようにこの音声記録を入手したのかは明らかになっていない。

サバーはこれまでも、この事件の詳細を報じ、世界的大ニュースとなっている。
同紙は今週、2度にわたって、「殺人部隊」によるカショジ氏殺害事件に関する新情報を伝えた。

結婚手続きでサウジ領事館へ
カショジ氏は生前、米紙ワシントン・ポストに定期的に寄稿するなど、米国を拠点に活動していた。
同氏は昨年10月2日、トルコ人婚約者との結婚に必要な書類手続きのため、イスタンブールのサウジ領事館に入る姿が目撃されたのを最後に、行方が分からなくなった。
その後、同氏の失踪について矛盾した説明を行ったサウジ政府に対し、疑惑の目が向けられた。
サウジ当局は、カショジ氏の殺害に関わった疑いで、同国の11人を非公開裁判にかけた。

遺体は未回収のまま
国際的圧力を受ける中、カショジ氏の遺体は、殺害から1年近くたつ今も、回収されていない。
国連のアニエス・カラマール特別報告者は今年6月、カショジ氏殺害について、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と政府高官が関わっていた証拠があると発表した。
報告によると、これらの証拠は独立した公正な国際機関による調査にかけるに値するものだという。
一方、サウジ政府はこの報告内容を一蹴した。さらに、カショジ氏殺害は政府の指示によるものではないとして、一貫して関与を否定している。














