米結婚式場、同性・異人種カップルを拒絶 「キリスト教に反する」

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結婚式を予定していたアメリカ人カップルが突如、式は執り行えないと、式場から一方的にメールで告げられた。理由は、2人が同性同士の異人種カップルで、キリスト教の教えに反するというものだった。
結婚式を挙げる予定だったのは、白人男性と、黒人男性のカップル。米ミシシッピ州ブーンヴィルにある結婚式場「ブーンズ・キャンプ・イベント・ホール」から、「拒絶」の連絡を受けた。
黒人男性の妹ラカンブリア・ウェルチさんは、理由を確認するため式場を訪ね、式場オーナーとのやりとりを録画した。
動画が拡散
オーナーは理由について、「男性同士や異人種間の結婚式は執り行っていない」と答えた。
オンラインサイト「ディープ・サウス・ボイス」でこの動画が報じられると、ソーシャルメディア上ですぐに拡散された。

「男性同士、異人種間」の式はやらない
ラカンブリアさんによると、兄と相手の男性は、式場からのメールで初めて、式の準備が進められていないことを知った。そこで、ラカンブリアさんは直接、状況を確認しに行った。
対応したのは、グレーのTシャツを着た女性で、米メディアによると、式場のオーナーだった。
動画では、オーナーが「まず第一に、私たちは男性同士や異人種間の結婚式は執り行っていない」と言っているのが分かる。
ラカンブリアさんから、なぜだめなのか問われると、オーナーは、「私たちはキリスト教徒だから。つまり、キリスト教の教えがあるからだ。私たちは、そういった結婚式には関わらないし、そう決めている」と答えた。
さらに、聖書のどの一節に、そうした教えが書かれてあるのか問われると、「自分の信仰について議論したくない」と述べた。
「差別的方針」を非難
このやりとりを受け、ブーンヴィル市は、「こういった類の差別的方針」を非難する声明を、ツイッターで公表した。
「ブーンヴィル市、市長および市議会は、ブーンヴィル市内にある個人経営主による発言を把握している。ブーンヴィル市、市長および市議会は、人種や宗教、性別、年齢、出身国、障害、婚姻の有無、性的指向あるいは兵役の有無に基づいた差別はしない。さらに、ブーンヴィル市、市長および市議会は、こういった類の差別的方針を大目に見たり、承認したりしない」

正しいと「思い込んでいた」ことを貫いた
動画が公開されると、式場のフェイスブック・ページは一時、取り下げられた。今月1日になって再開され、長文の謝罪コメントが掲載された。その後、ページは再び閉鎖された。
オーナーは謝罪文の中で、自分は子供のころ、人間は「自分と同じ人種と」一緒にいるべきだと教えられたと説明。牧師と話し合い、聖書には、異人種間の結婚を禁止するものは何も書かれていないことに気がついたと述べた。
続けて、「私の発言で気分を害したり、傷ついたり、責められたと感じたすべての人々に対し、私が真実を知らずに無知だったことを、心から謝罪します。人種差別の意図は決してなかった。結婚について正しいと『思い込んでいた』ことを貫いたにすぎない」と述べた。
式場がBBCに宛てた声明では、「許してもらえて感謝している」と述べ、カップルに式場を使ってもらうよう、改めて招待したとしている。
異人種間の結婚は合法
アメリカでは、1967年のラヴィング対ヴァージニア州裁判で、最高裁判所が異人種間結婚を禁じる法律を無効にした。それ以降、異人種同士の結婚は合法となっている。
「反LGBT法」
2016年、ミシシッピ州では、州内の事業者が信仰や倫理観に基づいてLGBT(性的マイノリティー)へのサービス提供を拒否できる、「反LGBT法」が成立した。
信教の自由を保護する目的でつくられたこの州法では、人種については触れられていない。





