トランプ氏と弁護士の会話テープ放映 元モデルへの支払い協議か=CNN

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米CNNは24日、元モデルとの不倫疑惑をめぐり支払いを協議したとみられるドナルド・トランプ米大統領と弁護士による会話の録音を放映した。
トランプ氏とマイケル・コーエン弁護士は、プレイボーイ誌の元モデル、キャレン・マクドゥーガル氏の体験談の買い取りについて議論している。
会話テープが録音されたのは2016年9月で、米大統領選の2カ月前。不倫行為は2006年のこととされている。
現在トランプ氏の弁護士を務めるルディ・ジュリアーニ氏は、金銭は支払われず、会話テープはどんな犯罪の証拠も示していないと主張している。
CNNが入手したテープは、米連邦捜査局(FBI)が今年、ニューヨークにあるコーエン氏の事務所を家宅捜索した際に押収したとされる資料の1つ。
ジュリアーニ氏は、ニューヨークにあるトランプ・タワーでマクドゥーガル氏について話した内容をコーエン氏がひそかに録音していたと述べた。
コーエン氏は既にトランプ氏の弁護を離れている。
トランプ氏は25日、ツイッターに「いったいどこのどんな弁護士が顧客との会話を録音するんだ? とても悲しい! こんなのは初めてだ、前代未聞じゃないのか? なぜ僕がたぶんいいことを言っている時に突然録音が切れるのだ? 他の顧客や記者の多くも録音されていると聞いているが、そうなのか? 残念だ!」と投稿した。
コーエン氏の弁護士ラニー・デイビス氏は、警告に応答して「真実はまたもやマイケル・コーエンの側にある。大統領のドナルド・トランプは現金という言葉を使った。ルディ・ジュリアーニがコーエン氏を不当に非難している。まさにリチャード・ニクソンが学んだように、テープはうそをつかない!」とツイートした。

テープの内容は
会話は飛び飛びで、はっきり聞こえない声もある。一部の音は雑音で聞き取りにくくなっている。
トランプ氏とコーエン氏はテープ内で、マクドゥーガル氏の体験談の権利をタブロイド誌ナショナル・エンクワイアラーの発行元から買い取ろうと協議しているとみられる。プレイボーイ誌のモデルだったマクドゥーガル氏は、米大統領選の準備期間中に体験談をナショナル・エンクワイアラーに売却していた。
コーエン氏は「友達のデイビッドについて、あの情報を全部こちらに明け渡してもらうため、会社を設立する必要がある」と述べる。
この「デイビッド」とは、トランプ氏の友人でナショナル・エンクワイアラー誌の発行元アメリカン・メディア・インク社のデイビッド・ペッカー氏を指していると見られる。
トランプ氏はその後、「じゃあ、いくら払わなきゃならないんだ? 150か?」と話している。
マクドゥーガル氏は体験談の出版権売却の見返りにナショナル・エンクワイアラー誌から150千ドル、つまり15万ドル(約1662万円)を受け取ったと報じられている。

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コーエン氏が資金繰りについて話し始めると、トランプ氏は「何の資金繰りだ?」と尋ね、これにコーエン氏は「払わないとなりません」と答えている。
次の部分は極めて重要だ。トランプ氏が「現金で払う」と言っているのが聞こえるが、現金で払うべきだと主張しているのか、払うべきでないと言っているのかは明らかではない。コーエン氏の「いや、いや、いや」という回答は明瞭だ。
この後、トランプ氏が「小切手」と言っているのが聞こえる。
何を意味するのか
米司法省は、トランプ氏と性的関係を持ったと主張する女性について口止め料が払われた疑惑を調べている。
これはトランプ氏にとって問題になるかもしれない。選挙立候補者の不都合な情報を隠蔽(いんぺい)することが目的の未公開支払いは、米選挙資金法違反に当てはまる可能性があるためだ。
今回の録音からは少なくとも、マクドゥーガル氏の体験談買い取りについて話し合いがあったと、トランプ氏が認識していたことが分かる。
過去にマクドゥーガル氏について尋ねられた際には、トランプ大統領は不倫を否定し、どんな支払いについても何も知らないと述べた。
ジュリアーニ氏はAP通信に対し、聞き取りやすくしたテープを入手したと話している。そこでは明らかに、トランプ氏は「現金で支払うな」と言っているという。
同氏はAP通信に、「大統領は正しい対応を希望していた。何かを隠したいなら、会社や小切手を使って払ったりしない」と述べた。
ジュリアーニ氏は、なぜこのことが問題になったのかはわからないが、最終的に支払いは行われなかったと話した。

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キャレン・マクドゥーガル氏とは
マクドゥーガル氏はプレイボーイ誌の元モデルで、2006年から10カ月間、トランプ氏と関係を持っていたと主張している。トランプ氏は当時すでにメラニア氏と結婚しており、テレビ番組「ジ・アプレンティス」の司会だった。
マクドゥーガル氏は15万ドルの契約で体験談をナショナル・エンクワイアラー誌に売却した。契約にはナショナル・エンクワイアラー誌による体験談の独占出版権と、不倫疑惑について公の場でマクドゥーガル氏が話すことを禁止する内容が含まれていた。
ナショナル・エンクワイアラー誌は暴露記事を公開しなかった。マクドゥーガル氏は自分はだまされたと語っている。
トランプ氏は不倫など何もなかったと否定している。ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は今週、「自分は何も間違ったことをしていないと大統領は断言している」と述べた。
マイケル・コーエン氏とは
かつてトランプ氏の熱烈な支持者だったコーエン氏はかつて、大統領の身代わりに銃弾を受ける覚悟だと宣言して話題になった。
しかし、4月にFBIがコーエン氏の事務所と自宅を捜索すると、事態は一変した。
この捜索で録音音声10件が押収され、連邦検察官に引き渡された。
コーエン氏は今月、米ABCニュースに対し、自分の家族と国に対する忠誠は上司に優先すると話した。
コーエン氏の発言は、同氏がトランプ氏に関して捜査当局に協力するのではないかとの憶測をかきたてた。ただ、これまでにコーエン氏が実際に捜査に協力したかは確認されていない。
コーエン氏は銀行詐欺や税金詐欺の疑いで取り調べを受けていると報じられている。選挙法違反の可能性もあるという。ただ、現在まで訴追は受けていない。
同氏にかかっている疑いは、トランプ氏と不倫関係にあったと主張している別の女性、ストーミー・ダニエルズ氏に関連している。ダニエルズ氏の不倫疑惑も2006年のことという。

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トランプ大統領は5月、ダニエルズ氏にコーエン氏が口止め料として払った額を、コーエン氏に払い戻したと認めた。
トランプ氏はそれまで、秘密保持契約の一部として13万ドル(約1440万円)が支払われたことについて何も知らないと否定していた。

<解説>争いは激化?――アンソニー・ザーカー、BBCニュース(ワシントン)
ドナルド・トランプ氏は4月、マイケル・コーエン氏は「素晴らしい人」で「いつも好かれ尊敬されている」とツイートした。さらにコーエン氏は決して自分を裏切らないはずだとも付け加えた。
そのコーエン氏は先週、問題となる会話の録音を報道に流出させた。今やトランプ氏は、考え直しているかもしれない。
報道陣にテープを渡したことについて、コーエン氏の新しい弁護士、ラニー・デイビス氏は「我々はマイケルをサンドバッグにはさせない」と説明した。
サンドバッグになる代わりに、コーエン氏は先制パンチを繰り出した。これはトランプ氏相手に激化する戦いの最初の一発かもしれないと、憶測が飛び交っている。
デイビス氏は「テープはほかにもたくさん」あると話した。そして、トランプ氏のためにコーエン氏がこの10年してきたビジネス面と法律面での一連の働きを考えれば、どれほど驚きの事実が待っているのか、想像しきれない。
コーエン氏はデイビス氏を弁護士に選んだ時点で、この展開を予告していたようなものだ。ワシントンで長年活動してきた熟練弁護士のデイビス氏は、かつて民主党の下院候補で、民主党全国委員会のメンバーで、ビル・クリントン元米大統領の弾劾裁判で弁護士も務めた。
デイビス氏は、戦争の準備を依頼するにはうってつけの人物だ。共和党相手の戦争なら。









