【ラスベガス乱射】 容疑者、ホテル室内に監視カメラ設置=警察

乱射事件のあったラスベガス・ストリップで被害者を悼む人たち(3日、米ネバダ州ラスベガス)

画像提供, AFP

画像説明, 乱射事件のあったラスベガス・ストリップで被害者を悼む人たち(3日、米ネバダ州ラスベガス)

58人が死亡し、500人以上が負傷した米ラスベガス乱射事件のスティーブン・パドック容疑者(64)について、地元警察は3日、発砲拠点とした宿泊先のホテル室内に複数のカメラを設置するなど、周到に準備を重ねていたようだと明らかにした。

ロサンゼルス市警のジョーセフ・ロンバルド・クラーク郡保安官は記者団を前に、パドック容疑者はホテルの室内に複数のカメラを設置していたと説明。ルームサービスのトロリーなどにも置かれたカメラは、警察の動きを監視することが狙いだったようだと見解を示した。

「この人物は事前準備を重ねていた。明らかに、あの部屋に特定の種類の武器を、しかもあれだけの武器を置いていたことからしても。きわめて周到に用意を重ねていたし、自分の行動を事細かに検分していたに違いない」と保安官は話した。

容疑者は警察の特殊部隊(SWAT)がホテル32階の部屋に突入する前に自殺していた様子。警察突入の直前に、ドア越しにホテル警備員が撃たれて負傷した。

パドック容疑者に犯罪歴はなく、警察は要注意人物として認識していなかった。ただしホテルの室内には23丁の銃器があり、ラスベガス北東郊外メスキートの自宅からも銃19丁や爆発物、大量の銃弾が発見された。

パドック容疑者が利用したホテルの部屋に散らばる銃器(「ボストン25ニュース」より)

画像提供, Boston 25 News

画像説明, パドック容疑者が利用したホテルの部屋に散らばる銃器(「ボストン25ニュース」より)

テレビ局「ボストン25ニュース」は、ホテルの部屋の床に散らばる銃の写真を入手した。

保安官によると、ホテルのスイートルームには、銃器やカメラのほか、10個のスーツケースがあったという。

容疑者はスイートルーム室内の2カ所の窓の間を移動しながら、連射を重ねていたものとみられる。

layout of typical suite in Mandalay Bay hotel
画像説明, マンダレイ・ベイ・ホテルの典型的なスイートルームの室内図面
Las Vegas city map showing location of hotel from where gunman shot at least 50 people dead at a country music concert, 2 October 2017
画像説明, 中心通りラスベガス・ストリップと容疑者が32階から銃を乱射していたマンダレイ・ベイ・ホテル(Mandalay Bay Hotel)、乱射の標的となった音楽祭(Music festival)会場の位置関係。ホテルの窓が打ち破られているのが見える

調べによると、パドック容疑者の自動車からは硝酸アンモニウムも発見された。これは肥料にも使われるが、1995年のオクラホマ・シティー連邦政府ビル爆破事件などで使われた爆発の材料にもなる。

銃砲小売りチェーン「ニュー・フロンティア・アーマリー」のデイビッド・ファミリエッティ氏はBBCに対して、容疑者が北ラスベガスの店舗で今年春に銃器を購入したと話した。連邦捜査局(FBI)による経歴調査を含め、州法や連邦法の規定はすべて満たしていたという。

ただし、容疑者が店頭で購入した散弾銃とライフル銃だけでは、「ビデオで見聞きした(攻撃は)不可能で、改造が必要だ」とファミリエッティ氏は話した。

容疑者が乱射の標的にしたカントリー音楽祭の会場で撮影された様々な動画で聞こえる、連射の速度からは、容疑者が合法的に入手した付属品を使い、ライフル銃を自動式に近い速度で連射できるよう改造した可能性がうかがわれる。

動画説明, ラスベガス乱射で使用された武器は? 映像から専門家が分析

交際相手は日本ではなくフィリピンに

警察は、パドック容疑者とメスキートの一軒家で住んでいたとされる交際相手のマリルー・ダンリーさんについて、依然として「参考人」だと話した。当初は日本に滞在中で、もはや参考人ではないと話していたが、実際にはフィリピン滞在中だと訂正した。

ロンバルド保安官は、ダンリーさんと「まだ会話中だ」と述べた。

米メディアによると、62歳のダンリーさんはフィリピン生まれのオーストラリア市民。9月末からフィリピンに滞在していたが、3日夜にロサンゼルスに帰国し、連邦捜査員に出迎えられた。

容疑者は9月28日に、ダンリーさんの身分証などを使い、ホテルにチェックインしたとみられている。

フィリピン警察はAFP通信に対して、パドック容疑者が事件の数日前、フィリピンにいるダンリーさんに10万ドルを送金していたと話した。

Suspected gunman - undated image

画像提供, Paddock family

画像説明, 撮影時期不明のパドック容疑者

大統領は銃規制強化議論に消極姿勢

動画説明, 「撃たれた男性が『助けて』と」 ラスベガス乱射、目撃者語る

現代米国史上最悪の乱射事件を機に、米国の銃規制法制をめぐる議論が再燃している。しかしドナルド・トランプ米大統領は、仮に対応が必要だとしてもその議論は「今すべきことではない」、「銃の法律については時間がたつにつれて、話をしていく」などと反応した。強力な銃ロビー、全米ライフル協会(NRA)の後押しを得ているトランプ氏は、大統領選の最中も、米国民の武器携行権を保障する連邦憲法修正第2条を保障すると繰り返していた。

大統領はパドック容疑者を「病気の男、頭のおかしい男だ」と呼んだ。

しかし、匿名を条件に取材に応じた米国土安全保障省の高官はロイター通信に対して、「精神疾患や脳障害があったと示す」「証拠は何もない」と話した。

連邦捜査局(FBI)も、国際テロ組織との関連をうかがわせる事実関係は見当たらないと判断を示している。

一方で、9月20日にハリケーンで甚大な被害を受けた米自治領プエルトリコを3日に訪れたトランプ氏は、銃規制議論にふさわしい時は「いずれ来るかもしれない」と述べた。

銃規制に関してトランプ氏の姿勢は長年にわたり二転三転している。

今回の乱射事件は「国内テロ」なのかという問いかけにも、トランプ氏は明言を避けた。

動画説明, 【ラスベガス乱射】 ホテルに向かう警察のボディカム映像