シリア反政府勢力「ISから空軍基地奪還」 ラッカ近くで

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過激派組織「イスラム国」(IS)掃討のため米国主導の有志連合に参加するクルド系とアラブ系の連合勢力「シリア民主軍」(SDF)が26日、ISが「首都」と呼ぶ北部ラッカ近くの重要な空軍基地を掌握したと明らかにした。
SDFの広報担当タラル・セロ氏が、タブカ飛行場を武装勢力から奪還したと発表した。SDFはラッカへ進攻する途中で、タブカにあるシリア最大のダムを掌握しようと作戦を展開。空軍基地の奪還もその一環という。
米軍主導の有志連合は22日に、SDF戦闘員たちをラッカ西にある前線の背後へ空輸。一気にダムの近くまで進軍したSDFにとって、今回のタブカ空軍基地制圧は、空輸作戦以降初の大きな戦果だとBBCのセバスチャン・アッシャー・アラビア情勢編集長は指摘する。
タブカ空軍基地はISが2014年にシリア軍から奪った。ISは基地制圧後、捕虜兵を大量処刑した。
クルド系主導の戦闘員たちは、ラッカへの進攻を続けている。しかし、民間団体「シリア人権監視団」(本拠地ロンドン)は、過去1週間で有志連合による爆撃で少なくとも89人の民間人が死亡したと指摘している。
この間にISは、ラッカ市街地からユーフラテス川沿いに約40キロ上流にあるタブカ・ダムが決壊すると警告。一部の住民が高台に避難するなど、地域に動揺が走ったが、ダムは今のところ無事の様子。ISは、米軍主導の有志連合がダムを空爆したのが原因だと非難していたが、有志連合は「シリアの人たちにとって不可欠なダムを有志連合は守り続ける」と、ISの主張を否定した。
ISは後に、拡声器を乗せた車数台をラッカ市内に走らせ、ダムは無事で避難の必要はないと呼びかけて回ったという。

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タブカ・ダムは重要な戦略拠点で地域に電力を供給している。さらに米国防総省によると、シリア国外での攻撃を計画するためのIS作戦本部として使われている様子だという。
国連は2月半ば、ダブカ・ダムが破壊されれば、大規模な浸水被害につながると警告した。
イラク北部のIS拠点モスルでも昨年、同じようにダム決壊の懸念が指摘された。イラクの米国大使館は、モスルのダムが決壊すればチグリス川周辺の住民147万人が犠牲になる恐れがあると警告したが、ダムは今のところ操業を続けている。
モスルでも現在、IS掃討作戦が展開しており、米軍主導の有志連合とイラク軍がISを攻撃している。










