トランプ氏抗議で国連イスラエル非難決議案の投票先送り

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イスラエルのヨルダン川西岸入植に対する国連安全保障理事会の非難決議案について、ドナルド・トランプ次期米大統領が反対を表明したため、投票が延期された。オバマ政権が投票を棄権するかもしれないと知ったイスラエル政府が、トランプ氏に介入を求めていた。
イスラエル非難決議案はエジプト政府が提出した。イスラエル政府の要請を受けたトランプ氏が、エジプトのシシ大統領に電話で反対を表明した結果、エジプトが採決の数時間前に決議案を撤回した。
米政府関係者によると、予定通りに22日に投票が行われ、オバマ政権の代表が拒否権を行使せず棄権していれば、非難決議案は採択された可能性が高いという。
エジプト提出の決議案は、イスラエルにヨルダン川西岸での違法な入植地建設を止めるよう呼びかける内容だった。イスラエルは、入植地新設は国際法に抵触しないという立場を貫いている。
イスラエルのネタニヤフ首相はこれに先立ち、「米国は長年にわたり、国連でイスラエルを擁護し、反イスラエル決議案に拒否権を行使してきた。これは米国とイスラエルの同盟関係における大事な柱のひとつだ。米国がこの方針を止めないよう期待する」と述べていた。
しかしオバマ政権が任期終了を目前に、対イスラエル外交の基本戦術を変更して安保理投票を棄権し、非難決議の採択を容認するのではないかと、広く推測されていた。
採決を前にトランプ氏は22日、安保理に対して、非難決議の否決を呼びかける声明を発表。「イスラエルとパレスチナの和平は、当事者間の直接交渉なくしては実現しない。国連が条件を押し付けるのでは、イスラエルの交渉が不利になり、すべてのイスラエル人にとって極めて不公平な状態になるだけだ」とトランプ氏はイスラエル擁護の態度を鮮明にしていた。

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非難決議案の採決が延期された後、イスラエル政府関係者はロイター通信に対して、もし米国が棄権すればトランプ氏に助けを求めるつもりだと、あらかじめオバマ政権に警告していたことを明らかにした。また、イスラエルとして確かにトランプ氏に介入を直接要請したと確認した。
エジプトのシシ大統領は声明で、トランプ氏との電話会談で、この件はトランプ次期政権が対応すべきものだと合意したと明らかにした。トランプ氏は1月20日に就任する。
一方で、安保理非常任理事国のニュージーランド、ベネズエラ、マレーシア、セネガルは、もしエジプトが採決を求めないなら、自分たちが近日中に要求するつもりだと反発している。









