安保法案 参院特別委の採決前に議員ら立ち回り
日本の自衛隊の活動範囲を広げる安全保障関連法案が17日、参議院の特別委員会で可決された。議論を呼んだ同法案の採決に向けては与野党議員がもみ合う場面もみられた。
野党議員らは特別委での採決を阻止しようと委員長席に集まり、手元資料やマイクを奪うなどした。特別委での可決を受け、法案は参院本会議での採決に付されるが、野党は今後も採決を延期するための努力を続ける。
今回の法案は、日本が攻撃を受けていない場合でも、同盟国の防衛に自衛隊が海外で展開することを可能にする。
日本の国民の多くは法案を支持しておらず、特別委での審議が進むなかでも国会周辺では大きな反対デモが行われていた。
いつもならぬ熱気のなか、特別委の開会を宣言しようとする鴻池委員長の周りでは議員らがもみ合った。野党はまた、委員長の不信任動議を提出した。
<ビデオ>特別委では怒号が響き、議員らがもみ合った
16日夜に予定されていた特別委では、安倍首相をはじめ担当閣僚が質疑に応じる態勢にあったが、野党議員が入口をふさいだため開始できず、翌17日の未明に見送りが決まった。

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延長戦術
法案はすでに衆議院で可決されている。参院でも与党が多数を占めるため可決される見通しで、野党は特別委での採決を阻止することに大きなエネルギーを注いだ。
日本では来週に大型連休を控えており、反対デモが拡大する可能性があるため、安倍政権は今週中の可決を目指しているとみられる。
衆院可決後60日以内に参院で可決されない場合には、衆院での再可決に差し戻されるが、安倍首相はそれも視野に入れているとされる。首相率いる自由民主党主導の連立政権が衆院勢力の3分の2以上を占めるからだ。
衆参両院で多数を握るものの、議論を呼ぶ法案を、反対の声が上がるなかであくまで通そうとする安倍首相のスタンスが、首相支持率の低下につながっているようだ。
世論調査では常に、半数以上が法案に反対しており、強い賛成意見は比較的少数。

集団的自衛権とは?
第2次世界大戦後に発布された新憲法では、日本は自衛の場合を除き紛争解決の手段としての武力の行使を放棄している。
安倍政権は、安保関連法の下で自衛隊の海外展開を拡大するにあたっての3つの要件を挙げている。
- 日本もしくは密接な関係にある国が攻撃され、日本の存立や日本人の生命や権利が脅かされる明白な危険があること
- 攻撃を排除し日本の存立と日本人を守るために、ほかに適当な手段がないこと
- 必要最小限の実力行使にとどめること

日本政府は、中国が主張を強めるなかで地域の平和や安全を維持するために今回の法案が必要だとしており、米国も歓迎している。また日本が世界の平和維持の取り組みにさらに幅広く貢献できるようになるとしている。
しかし、法案に反対する人々は、戦後の平和憲法に違反するものであり、米国主導の紛争に巻き込まれる可能性があると主張している。
法案は可決される公算が大きいものの、反対運動が、若者の政治への無関心という、過去何十年にもわたって続く傾向を変えたと評価する向きもある。これまで労働組合や左翼活動家が主導することが多かった反対デモだが、学生が活動に深く関わるケースが今回特に目立った。

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