【米大統領選2020】 銃規制や人種、気候変動……両候補の姿勢を簡単に比較

Trump and Biden

画像提供, Getty Images

米大統領の座を争うドナルド・トランプ大統領とジョー・バイデン前副大統領が8つの主要課題についてどういう姿勢か、簡単に比較する。

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covid

トランプ氏は今年1月末に、新型コロナウイルス対策タスクフォースを設置。その主要課題は今では「安全と、国の再開」だとしている。治療法やワクチンの開発を最優先に、予算100億ドルを振り分けている。支持者には、感染拡大は「もうすぐ角を曲がる」と繰り返している。

バイデン氏は、全国的な接触者追跡プログラムの導入を公約。すべての州にそれぞれ最低10カ所のウイルス検査センターを設置し、すべての住民に無料のウイルス検査を提供すると約束している。連邦施設でのマスク着用を義務化する、全国的な措置を支持している。

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climate

トランプ氏は気候変動について懐疑的で、化石燃料の使用を拡大しようとしている。石油や天然ガスの掘削を増やし、複数の環境保護措置を撤廃する方針。気候変動対策のための国際的枠組み、パリ協定から離脱を宣言した。

バイデン氏は、自分が大統領になればただちにパリ協定に復帰すると約束している。2050年までにアメリカの温室効果ガス排出量ゼロを実現したい方針。国有地で新規の石油・天然ガス掘削を許可しない意向で、再生可能エネルギーに2兆ドルを投資するつもりという。

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economy

画像提供, BBC Sport

トランプ氏は10カ月間で1000万人分の雇用を創出し、100万の小規模事業を新しく作ると約束している。所得税を減税し、雇用の国外流出を防ぐため企業に対する法人税の控除も提案している。

バイデン氏は公共投資拡大のため、高額所得者の所得税を引き上げたいとしているが、その対象は年収40万ドル(約4200万円)以上の人に限定されるという。連邦最低賃金を現在の時給7ドル25セント(約760円)から15ドル(約1570円)に引き上げる意向を示している。

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medicine

トランプ氏は、オバマ政権が成立させた「患者保護並びに医療費負担適正化法(ACA、通称「オバマケア」)の撤廃を目指している。ACAは、民間医療保険に対する連邦政府の規制力を拡大し、既往症のある人の保険加入拒否を違法にした。トランプ氏はこれを撤廃した上で、もっと良い医療保険制度を構築したいと繰り返しているが、具体的な案の内容は公表されていない。

トランプ氏はさらに、薬価引き下げを約束し、安価な薬の輸入を認める方針。

オバマ政権の副大統領だったバイデン氏は、ACAの保護と拡大を目指している。さらに、高齢者への公的医療保険(メディケア)の適用開始年齢を65歳から60歳に引き下げたいとしている。さらに、このメディケアに似た公的保険に加入する機会を全国民に提供したい方針。

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foreign policy

トランプ氏は、防衛予算を維持しながら在外駐留米軍の帰国を継続すると方針。さらに、従来の諸外国との同盟関係や協定の枠組みに引き続き反対し、対中関税を維持するという。

バイデン氏は、諸外国との同盟・協調関係を修復すると約束している。中国に対する単独の関税を取りやめる一方で、中国が「無視するわけにはいかない」国際連携体制で問題行動の責任をとらせる方針という。

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race

トランプ氏は、アメリカ各地の警察組織において人種差別は構造的な問題だと思わないとしている。「法と秩序」を選挙戦の合言葉として繰り返し、法執行機関を強力に支持すると強調している。ただし、逮捕時に容疑者の首を後ろから締め上げる逮捕術に反対し、手続き改善のために助成金を提供している。

バイデン氏は、アメリカには構造的な人種差別があると問題視している。司法制度における人種格差是正の諸政策を提示。収監率引き下げのため州政府への助成金拡大などが含まれる。

党内左派などから出ている、警察予算削減の要請には反対しており、適切な職務水準維持にひもづけた予算拡大を提供するべきだとしている。

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guns

トランプ氏は、アメリカ国民に武器の保有権を保障する合衆国憲法修正第2条を、広く解釈している。2019年に乱射事件が相次いだ後は、銃器を購入する際の身元調査の厳格化に賛同したが、その動きは立ち消えになり、規制強化の法案は提出されていない。

バイデン氏は、民間人による自動小銃など殺傷力の高い銃器の所有を禁止し、全国一律の身元調査徹底など、規制強化を提唱している。その中には、1人が1カ月に購入できる銃の数を制限し、銃製造者や販売業者の怠慢を提訴しやすくするなどの策が含まれる。このほか、銃暴力の予防策研究を支援する方針という。

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supreme court

トランプ氏は、大統領選目前でも任期中に最高裁判事を指名するのは、自分の憲法上の権利だと主張。9月に死去した高名なリベラル派のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の後任に、保守派エイミー・コーニー・バレット判事を指名し、上院の承認を獲得した。トランプ氏が指名した保守派の最高裁判事はこれで3人となり、判事の定数9人の連邦最高裁は6対3で保守派優勢になった。

連邦最高裁は近く、オバマケアの撤廃や妊娠人工中絶の是非などについて判断を下す見通し。また、大統領選の開票結果について法廷闘争になった場合、最終的には連邦最高裁が判断することになる。

バイデン氏は、終身任期の最高裁判事は、来年1月以降の大統領が決まってからにすべきだと反発していた。人工中絶の権利を全国的に合法としていた重要判例をもし最高裁が覆した場合は、中絶権を保障する法制の成立を目指すとしている。

最高裁の保守化への対抗策として、判事の定数を増やしてリベラル判事を複数指名するべきという意見については、態度を明示していないが、司法改革の是非は検討する方針という。