【解説】 その症状は風邪、インフル、それともコロナ? 悪化を防ぐには

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オスカー・デューク(医師、BBC「モーニング・ライブ」司会者)
あなたの周りにも、せきをしたり、たんを絡ませたりしている人が増えてきたのではないだろうか。願わくばその人たちが、あなたに向かって直接、せきをしていなければいいが。
秋が深まるにつれて、多くのせき症状や風邪の症状が広まっている。
しかし問題なのは、なぜ今なのか、それが単なる風邪以上のものならどう判断できるのか、そして最悪の事態をどう回避すればよいのかだ。
BBCの番組「モーニング・ライブ」などに定期的に出演している医師でテレビ司会者のオスカー・デューク氏が、最も有効な対策を紹介する。
寒さと風邪の関係

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寒さが免疫系にどの程度影響を与えるかについての研究は、依然として明確ではない。
しかし、日照時間が短くなると、人々は通常、暖かく居心地の良い屋内空間に向かう傾向がある。
そしてこの環境こそ、ウイルスにとって理想的なものだ。
また、夏休みが終わり、幼い子どもたちが学校で再び集まる時期でもある。
学校や保育施設は、多くのウイルスが蔓延(まんえん)するシャーレのような場所になり得る。そして、子どもたちはこれらの病原体を家庭に持ち帰る可能性が高い。
同じようなことは、9月から大学の寮に入った新入生にも当てはまる。集団生活によって病原体が広まり、さらに、過度の飲酒やパーティーによって免疫系が一層弱まることになる。
それは風邪、インフルエンザ、それとも新型コロナ?
風邪
・症状は徐々に現れる
・主に鼻とのどに影響を及ぼす
・初期症状として、耳づまりも起きる
・胸に響くような、たんを伴うせきが出る
インフルエンザ
・突然発症する
・全身の倦怠(けんたい)感を強く感じる
・発熱、筋肉痛、極度の疲労感が現れる
・安静にして寝床で休む必要がある
・乾いたせきが出る
新型コロナウイルス感染症
・典型的なインフルエンザの症状が見られる
・味覚または嗅覚の喪失が起こる
・下痢や腹部の不快感が生じる
風邪、インフルエンザ、そして新型コロナウイルス(COVID-19)のようなより深刻なウイルスの症状には、多くの共通点がある。
しかし、そのどれなのかを特定する手がかりも存在する。
風邪は始まりの時期、徐々に進行することが多い。鼻やのどの奥に影響が出ることが多く、口の奥にかすかな刺激を感じる人もいる。
もう一つの初期の警告サインとして、耳づまりの感覚が挙げられる。
ウイルスがさらに広がると、肺に到達し、しつこいせきを引き起こす可能性がある。
しかし、こうした症状の多くは、通常の生活を続けることを妨げるものではない。
同じことはインフルエンザには当てはまらない。インフルエンザは、痛み、発熱、筋力低下などを伴う傾向がある。
インフルエンザにかかったからといって必ずしも寝込む必要はないが、そうしたくなるほどの体調になる可能性はある。
新型コロナウイルスは、パンデミックが発生して以降、状況をさらに複雑にしている。このウイルスは、インフルエンザと似た症状を示す。
しかし、新型コロナ特有の重要な識別要素として、嗅覚や味覚の喪失が挙げられる。また、今冬に新たな変異株「ストラタス」と「ニンバス」が急増している中で、「カミソリのように鋭い」のどの痛みも特徴とされている。下痢も一般的な症状だ。
こうした症状で推奨されているのは、自宅で休養し、回復に努めることだ。
ただし、基礎疾患がある場合や、息切れを感じる場合、あるいは症状が3週間以上改善しない場合には、ためらわずに医師の診察を受けるべきだ。
少しでも症状を軽くするには?

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人間の身体は自然にウイルスや感染症と闘うが、適切な薬を用いることで、その働きを助けることも可能だ。
解熱鎮痛剤:服用に問題がない場合、アセトアミノフェンかイブプロフェンが最初の選択肢となる。どちらも、発熱を下げたり、痛みを和らげたりするのに非常に効果的だ。ただし、多くのせき止めや風邪薬には微量のアセトアミノフェンが含まれているため、知らずに過剰摂取しないよう注意が必要だ。
ビタミンC:風邪の予防に役立つと考えられることが多い。しかし、これに関する十分な科学的根拠は存在しない。欠乏していない限りは、健康的でバランスの取れた食事に重点を置くことの方がはるかに重要だ。
ビタミンD:寒い季節には、ビタミンDの補給が推奨されている。英国民保健サービス(NHS)は、イギリスでは通常、この時期に十分な日光を浴びることが難しいためだと説明している。
鼻づまり用スプレー:確かに、使用すると気分が良くなり、即効性のある緩和が得られる。しかし、スプレーを頻繁に使いすぎると薬剤性鼻炎を引き起こす可能性がある。これは、鼻が薬に依存し、使用しないと腫れてしまう状態だ。そのため、使用は4日から5日以内にとどめることを推奨する。
チキンスープ:この料理がウイルスと直接闘うという証拠はほとんどない。しかし、喉の奥を温め、いくつかの症状を和らげる効果がある。また、感染症と闘う上で重要な水分補給の手段としても有効だ。
予防接種は打つべきか?

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インフルエンザや新型コロナの予防接種を受けるよう案内された場合は、必ず接種することが重要だ。
追加取材:スミサ・ムンダサド保健担当記者
※以下は編集部がまとめた日本に関する情報です
高齢者における新型コロナの重症化リスクは、インフルエンザと同等かそれ以上という報告がある。2024年の新型コロナによる死亡数は約3万6000人と、インフルエンザによる死亡数の約2900人を上回っている。
65歳以上の人と、60~64歳で一定の基礎疾患がある人は毎年1回、インフルエンザや新型コロナの予防接種を受けられる。
また、子供のインフルエンザの予防接種は任意だが、自治体によっては助成が受けられるところもある。特に子どもは重症化しやすいため、専門家らは接種を推奨している。
予防接種の詳細については、厚生労働省や各自治体のウェブサイトで確認できる。かかりつけ医に聞いてもよい。











