ボルソナロ前大統領、アルゼンチンへの逃亡を計画したか ブラジル警察が発表

画像提供, ANDRE BORGES/EPA/Shutterstock
ブラジルの警察は、ジャイル・ボルソナロ前大統領(70)と息子のエドゥアルド氏(41)を、司法妨害の疑いで立件した。また、前大統領の携帯電話から、前大統領がアルゼンチンに亡命して刑事裁判を逃れようとしていたことを示す文書が見つかったと明らかにした。
警察は20日に提出した報告書で、ボルソナロ親子2人について、前大統領に対して現在進められている裁判を妨害しようとしたとしている。この裁判では、2022年大統領選挙に敗れたボルソナロ前大統領が、未遂に終わったクーデターを主導した罪に問われている。
警察はエドゥアルド氏については、父親のためにアメリカのドナルド・トランプ政権に働きかけたとし、その結果、アメリカがブラジル製品に懲罰的な関税を課したとしている。
クーデター未遂をめぐる裁判は、今後2週間以内に最終段階に入る。警察はそのタイミングで、170ページに及ぶ報告書を公表。前大統領への圧力を強めるかたちとなった。
ボルソナロ前大統領は、2022年大統領選で左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ大統領に敗れた結果を覆そうと、前大統領が謀議したとの見方を否定している。また、自らに対する司法手続きの公正さに疑問を呈し、自分は「政治的魔女狩り」の標的になっていると主張している。
先月のロイター通信の取材では、今回の事件を担当している最高裁の判事5人について、すでに自分を有罪にすると決めているのは「間違いない」と、前大統領は主張。自分は裁判を逃れようとしたことはなく、「国を出ようと思ったことも一度もない」とした。そして、クーデターでの起訴は、2026年大統領選から自分を「排除」するためのものだとした。
亡命求める下書き
しかし警察は今回の報告書で、ボルソナロ前大統領の携帯電話から、アルゼンチンへの政治亡命を求める文書の下書きが見つかったとしている。
文書は33ページからなり、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領に直接宛てたものだという。ミレイ氏は、ボルソナロ前大統領の訴追を「迫害」だと非難しており、前大統領にとっての政治的盟友とみられている。
この文書には日付はないが、警察は、ボルソナロ前大統領が警察にパスポートを渡した直後の2024年2月に、携帯電話で最後に修正されたとしている。
文書が実際にアルゼンチン政府に送られたのかは不明。アルゼンチン政府筋はロイター通信に、アルゼンチン大統領府がボルソナロ前大統領から書簡を受け取ったことはないと説明した。
それでも警察は、この下書きから、ボルソナロ前大統領の裁判回避の意図がわかるとしている。
前大統領の裁判を担当するアレクサンドル・デ・モラエス判事は、前大統領の弁護団に対し、亡命申請の疑いについて48時間以内に説明するよう求めた。
ボルソナロ前大統領は現在、自宅軟禁となっている。裁判所が命じた制限に違反したとして、ソーシャルメディアへの投稿やエドゥアルド氏と連絡を取ることを禁じられている。
エドゥアルド氏は今回の報告書で、父親の裁判に影響を与えようとトランプ政権に働きかけ、ブラジル政府と最高裁に圧力をかけさせようとしたとしている。
トランプ氏は先月、ブラジルからの輸入品に対する関税を50%に引き上げると発表。ボルソナロ前大統領に対する扱いが、引き上げの一因だとした。
米国務省も、アレクサンドル・デ・モラエス判事を含むブラジル最高裁の判事8人のアメリカへの渡航を禁止している。
約半年間アメリカに滞在しているエドゥアルド氏は20日、ソーシャルメディアで、自らに対する起訴内容を否定。アメリカでの行動は、ブラジルでの裁判に影響を与えることを意図したものではなく、ブラジルにおける「各自の自由の回復」だったと主張した。











