米司法省、エプスティーン資料は「すべて公開した」と主張 議員らは反発

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米司法省は14日、「エプスティーン・ファイル透明化法」が求めるすべての文書を公開したと発表した。これについて複数の米連邦議会議員は、公開が不十分だと主張している。
パム・ボンディ司法長官とトッド・ブランチ副長官はこの日、上下両院の議員たちに送付した書簡で、司法省が保有するすべての文書の公開を終えたと主張した。書簡には、資料に記載されていた氏名の一覧が含まれていた。
これに対し、「エプスティーン・ファイル透明化法」を共同起草したトーマス・マッシー連邦下院議員(共和党、ケンタッキー州選出)は、司法省が過去にジェフリー・エプスティーン元被告(故人)とその関係者を起訴するかどうかを判断した際の、省内文書を公開するよう求めた。
昨年11月に議会で可決され成立した「エプスティーン・ファイル透明化法」は、性犯罪で有罪とされた富豪エプスティーン元被告(故人)に関する資料のすべてを、昨年12月19日までに公開するよう政府に義務付けた。司法省はこの期限を守らず、今年1月30日に数百万点を新たに公開した。
ボンディ長官とブランチ副長官は書簡の中で、「同法の要件に従い、また、エプスティーンおよび(ギレイン・)マックスウェルの起訴を担当したニューヨーク南部地区裁判所に対して、司法省が各種の提出書類および関連命令で説明したとおり、同省は、『同省が保有する記録、文書、通信および捜査資料』のうち九つの分類のいずれかに『関連する』すべてを公開した」と記した。
エプスティーン元被告のパートナーだったマックスウェル受刑者は現在、未成年の人身売買を手助けした罪などで、禁錮20年の刑に服している。
司法長官らの書簡はさらに、「恥辱、評判損失、政治的難しさ」を理由に公開を差し控えた記録は、一切なかったとしている。
氏名リストに並ぶ名前は、「政府関係者か元政府関係者、または政治的に注目される人物もしくはかつて注目された人物」で、名前が少なくとも1回は資料に登場した人のものだという。
リストに含まれる人たちは「非常に多様な文脈」でファイルに登場しており、元被告やマックスウェル受刑者と「繰り返し電子メールで直接連絡」をとっていた人物もいれば、ファイルに含まれる文書や報道記事に言及があるだけの人もいると、司法長官らは書いている。
氏名リストには、ドナルド・トランプ米大統領、米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏、英王室のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏、ビル・クリントン元米大統領などが含まれている。4人とも、過去にエプスティーン元被告やマックスウェル受刑者と関わりがあったことは、すでに知られていた。
エプスティーン元被告の資料に名前が載っていても、それ自体が不正行為を示すものではない。上記の4人はいずれも、元被告の犯罪への関与を否定している。
他方、氏名リストには、故人のミュージシャン、ジャニス・ジョプリン氏とエルヴィス・プレスリー氏の名前も含まれていた。
司法長官と副長官の書簡は、上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党)とディック・ダービン民主党筆頭委員、下院司法委員会のジム・ジョーダン委員長(共和党)とジェイミー・ラスキン民主党筆頭委員に宛てられたもの。
捜査や起訴の是非を司法省がどう判断したかの記録は

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15日にABC番組「ディス・ウィーク」に出演したマッシー議員は、司法省が「この文書提出作業を完了したと言いたがっている」が、公開されるべき重要な文書がさらに存在すると主張した。
また、司法省は「一部の文書を公開しないで済むよう、審議過程特権に署名している」と述べた。
「しかし、ロー・カンナ議員と私が作成した法案は、司法省は起訴するか否か、捜査するか否かを、どう判断したのかについて、内部メモ、記録、電子メールを公開しなくてはならないと定めている」とも、マッシー議員は指摘した。
エプスティーン・ファイル透明化法を共同起草したカンナ連邦下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、司法省からの今回の書簡を受け、司法省が「誰が捕食者で、とあるメールで誰が言及されていたのか、意図的にあいまいにしている」と非難した。
カンナ議員は14日、「ジャニス・ジョプリンは、エプスティーンが17歳の時に亡くなった。その名前を、何百人もの若者への性的虐待および児童ポルノで投獄されたラリー・ナサールと同じ一覧に、どのような形でファイルに言及されたのかの説明なしに記載するのは、ばかげている」と、ソーシャルメディアに投稿した。
「全文書を公開しろ」、「捕食者をかばうのをやめろ。黒塗りにするのは、被害者の名前だけにしろ」とも、同議員は書いた。
BBCは、司法省にコメントを求めている。
これまでに米議会の複数議員が、エプスタティーン資料の多くが公開前に不適切に黒塗りされていたと指摘していた。これを受け、少なくとも1件の文書について黒塗りが解除された。
エプスティーン元被告の被害者たちの代理人を務める弁護士たちも、新たに公開された一連の文書には、電子メールアドレスや裸の写真が含まれていたため、そこから被害者だった可能性のある人たちの氏名や顔が特定できてしまうと指摘していた。
司法省は当時、こうした誤りは「技術的または人的なエラー」によるものだとし、指摘を受けたすべての文書を削除したとしていた。











