ジャンクフード広告を禁止する措置、イギリスで施行

画像提供, PA Media
イギリスで5日、子どもの肥満対策の一環として、ジャンクフードの広告をオンライン上で全面的に禁止する措置が施行された。テレビでの放送も制限される。
この禁止措置は、イギリス全土に適用される。高脂肪、高塩分、高糖分 (HFSS)の食品と飲料の広告を、テレビでは午後9時より早い時間帯に放送できなくなる。オンライン上では終日禁止となる。
対象となるのは、子どもの肥満の最大要因とされる製品で、ソフトドリンクやチョコレート、菓子類、ピザ、アイスクリームなどが含まれる。
業界団体イギリス食品・飲料連盟(FDF)は、市民の健康的な食生活への支援に取り組んでおり、昨年10月から自主的に新規制を順守してきたと話している。
明らかに健康に悪影響を与える食品に加え、一部の朝食用シリアルやポリッジ(オートミールなどの穀物を水や牛乳で煮込んだおかゆのようなもの)、甘味を加えたパン製品、主食やサンドイッチも対象となる。
禁止対象となる製品は、栄養価と飽和脂肪、塩分、糖分の含有量とのバランスを評価するスコアリングツールにもとづいて決定される。
プレーンオーツや大半のポリッジ、ミューズリー(オートミールにドライフルーツやナッツなどを混ぜたシリアル食品の一種)、グラノーラは措置の対象外だ。ただ、砂糖やチョコレート・シロップが加えられたものは規制対象になる可能性がある。
自社製品が規制対象となった企業は、その製品をより健康的なものに改良することで、再び広告を展開できるようになる。英政府は、食品メーカーによる健康的なレシピ開発につながることを期待している。
今回の措置で規制されるのは、不健康な製品そのものを映した広告に限定される。そのため、自社のブランド名そのものの宣伝は今後も続けられると、マーケティング企業イニシャルズCXのジョシュ・ティリー氏は話した。
ブランド戦略担当のティリー氏は、「ペプシのロゴやマクドナルドのゴールデンアーチなど」は規制対象にならないと説明する。このため、大企業は新しい規制による影響をそれほど受けないかもしれないという。
それに対して中小企業は「ブランド広告を大々的に展開する予算が必ずしもない」ため、そうした企業の宣伝は特定の商品について「広く周知」することを主眼としているが、「それがもうできなくなる」とティリー氏は説明した。
HFSSの食品・飲料の広告はこれまで、視聴者の4分の1以上を16歳未満が占めるプラットフォームでのみ禁止されていた。
新規則に従わない企業については、イギリスの広告基準協議会(ASA)が対応を取る可能性がある。
英国民保健サービス(NHS)のデータによると、小学校に入学する直前の子どもの約10人に1人(9.2%)が肥満状態にあり、5歳までに5人に1人が虫歯になっているという。
こうした肥満状況により、NHSには年間で推定110億ポンド(約2兆3000億円)以上のコストがかかっているという。
健康的ではない食品の広告に子どもがさらされると、幼い頃から食習慣に影響を受け、将来的に過体重や肥満になるリスクが高まることを示す証拠も複数ある。
政府は、不健康な食品の広告禁止措置を導入することで、約2万件の小児肥満を防げると見積もっている。
英ハートフォードシャー大学のキャサリン・ブラウン教授(健康行動変容学)は、今回の措置について、「遅きに失したものの、正しい方向への動き」だと評価した。
「子どもは不健康な食品に関する積極的なマーケティングの影響を非常に受けやすく、そうした広告にさらされることで、肥満や関連する慢性疾患を患うリスクが高まる」
ブラウン教授は、栄養価の高い選択肢を「より手頃で、入手しやすい、魅力的なもの」にするよう政府に求めた。
FDFは、メーカー側は「政府やそのほかの関係者と連携し、人々がより健康的な選択を行えるよう支援することに取り組んでいる」と説明。
そして、「より健康的な製品の開発への投資は、長年にわたり食品・飲料メーカーの優先事項だ。その結果として、FDF加盟企業の製品は10年前と比べて塩分と糖分が3分の1、カロリーが4分の1に削減されている」と付け加えた。











