ペルー暫定大統領が罷免、就任わずか4カ月 選挙前に混乱続く

青色のスーツ姿のヘリ氏が演台で立って左手を挙げながら口を開いている

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画像説明, 罷免されたペルーのホセ・へリ暫定大統領
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ペルーの国会は17日、ホセ・へリ暫定大統領に対する罷免動議を賛成75、反対24の賛成多数で可決した。ヘリ氏は中国人実業家との会合について明らかにしなかったことが問題視され、就任からわずか4カ月で失職となった。

ヘリ氏をめぐっては先月、ペルー政府の監視対象となっていた実業家ヤン・ジーファ氏と複数回会っていたことを示す映像が浮上し、問題となった。

ヘリ氏は会合について謝罪したが、不正行為を全面的に否定。政敵が公然と中傷キャンペーンを仕掛けていると主張していた。

これで、ペルーでは大統領が3代続けて罷免されたことになる。同国では指導者が物議を醸す中で相次いで職を追われる混乱した政情が続いている。ヘリ氏は2016年以降で7人目の大統領だった。

ヘリ氏は、昨年10月に弾劾(だんがい)されたディナ・ボルアルテ前大統領の後任として、選挙を経ずに、議会議長としての立場から暫定大統領に就任していた。

議員らは当初、ヘリ氏の弾劾審議の日程を設定していたが、最終的には単純過半数で可決できる「問責」という別の議会手続きが選ばれた。

議会は18日夜にも新たな暫定大統領を指名する予定。この人物は、4月の選挙で国民が新大統領を選ぶまでの数カ月のみ、職務を担うことになる。

「チーファゲート」

ヘリ氏は、中国系ペルー料理とそれを提供する店の名称にちなんだ「チーファゲート」と呼ばれる一連の問題のなかで批判を浴びていた。

複数の事業を営み、エネルギー関連でペルー政府の許認可を受けていたヤン氏とヘリ氏の会合については初め、地元メディアが監視カメラの映像を報じた。

映像の一つでは、フード付きの上着を着たヘリ氏が、深夜にヤン氏のレストランを訪れる姿が映っていた。

別の会合には、違法な木材ネットワークへの関与の疑いで自宅軟禁下にある、別の中国籍の人物も同席していた。

ペルーの法律では、大統領はすべての公的活動を記録することが求められている。だが、ヘリ氏はこれらの会合を記録していなかった。

さらに、大統領公邸での深夜の会合に出席していた女性らに、公的事業の契約が与えられていたことが判明し、ヘリ氏への批判が強まった。

一連の疑惑により、検事総長による汚職捜査が開始され、支持率が急落する中で、ヘリ氏の辞任を求める圧力が高まっていた。

問責の罷免動議を支持したルス・ルケ議員は、公共の利益と治安を最優先する指導者を求めると述べた。

同議員はロイター通信に対し、「この苦境を終わらせ、市民が望む真の移行を実現しなければならない」と語り、「隠された利害関係や影響力の行使、秘密会合、フードをかぶった人物による移行では困る」と述べた。

ヘリ氏の解任は、4月に総選挙を控えるペルーにいっそうの不安定を与えた。

ヘリ氏の前任者で同国初の女性大統領だったボルアルテ氏も、2022年にペドロ・カスティジョ大統領(当時)の弾劾を受けて就任した。しかし任期中には抗議活動やスキャンダル、ギャング犯罪の増加に悩まされ、昨年10月に国会で罷免された。

ヘリ氏が就任すると、1週間もたたないうちに、犯罪と汚職への対策強化を政界に求める若者らが抗議し、1人が死亡し100人以上が負傷する事態となった。