ペルーの世界遺産マチュピチュ、当面閉鎖 反政府デモ続く

Machu Picchu

画像提供, Getty Images

画像説明, マチュピチュ遺跡

昨年12月に就任した大統領に抗議する反政府デモが続く南米ペルーで21日、政府は世界的に知られる観光名所の世界遺産マチュピチュを当面閉鎖すると発表した。外国人観光客を中心に数百人が、遺跡のふもとで立ち往生しているという。

ペルー政府は、観光客は市民を守るためにマチュピチュと、遺跡に至るハイキングルートを閉鎖すると説明した。マチュピチュはアンデス山脈の高度2400メートルの尾根に位置する、15世紀のインカ帝国の遺跡。

ペルーの文化省は、すでに遺跡の入場券を購入済みの人は、反政府デモの収束後、最大1カ月は入場できると説明。あるいは払い戻しを受けられるという。

ペルーでは昨年12月7日にペドロ・カスティジョ大統領(当時)が議会の解散を図り、その数時間後に議会で弾劾が決議され失職。副大統領だったディナ・ボルアルテ氏が、後任の大統領となった。以来、現政府に対する激しい抗議運動が続き、数十人が死亡している。

マチュピチュへの列車運行は19日に止まり、線路の一部が抗議者に壊されたとされている。

ルイス・フェルナンド・エルグエロ観光相は21日の記者会見で、現在418人の観光客がマチュピチュで立ち往生していると明らかにした。うち148人が外国人だったという。観光省はその後、観光客ら全員が、電車やバスなどで安全に避難したと発表した。

マチュピチュでは先月にも、抗議行動によって線路や道路が封鎖され、最寄りのクスコ空港が一時閉鎖されるなどして、観光客数百人が移動できなくなったことから、当局が一部の人をヘリコプターで緊急脱出させた。

Tourists wait outside the Machu Picchu train station after the railway service was suspended due to damages allegedly caused by protesters in Machu Picchu, Peru, on January 21, 2023.

画像提供, Getty Images

画像説明, 21日にマチュピチュ駅で立ち往生する人たち

前大統領の釈放求めデモ

デモ隊は選挙の実施と、ボルアルテ新大統領の退任を要求しているが、大統領はそれを拒否している。抗議者はさらに、反逆と陰謀の罪で訴追されているカスティジョ前大統領の釈放を要求。カスティジョ氏は無罪を主張し、自分が今でもペルーの正当な指導者だとしている。

政府当局は21日、警察署への放火が相次ぎ、死者が多数出ている南部プーノで、新たに1人が死亡したと発表した。

ペルーの独立監視機関によると、少なくとも58人のペルー人が抗議で負傷している。

首都リマでは道路が封鎖され、投石するデモ隊に警察が催涙ガスを使用している。

欧州連合(EU)は国内各地での暴力を非難するとともに、警察による「過剰」な威力行使を批判。「事態鎮静化のための対策を急」よう呼びかけた。

政治的混乱が何年も続くペルーでは、カスティジョ氏の逮捕で事態が一気に激化した。ボルアルテ氏に対しては、一部の州知事からも辞任要求が出ているものの、ボルアルテ氏はこれを拒否。17日には、政府に対して抗議するにしても、平和的な抗議にとどめるよう国民に呼びかけていた。