ボツワナが公衆衛生非常事態を宣言、医薬品不足や援助削減が影響

真剣な表情でカメラの右を見るボツワナのボコ大統領。グレーのスーツに青い柄のネクタイを着けている

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画像説明, ボツワナのドゥマ・ボコ大統領は昨年11月、ダイヤモンドに依存しすぎた経済の立て直しを約束して就任した

ボツワナ政府は25日、公衆衛生非常事態を宣言した。同国は現在、医薬品および医療機器の深刻な不足に直面している。

ドゥマ・ボコ大統領はテレビ演説で、軍の監督下でサプライチェーンを立て直す、数百万ドル規模の計画を発表した。また、「限られた財源の中で、価格に非常に敏感な対応が求められる」と国民に語った。

人口約250万人のボツワナは、世界有数のダイヤモンド生産国だが、国際市場の低迷により経済が打撃を受けている。さらに、アメリカからの援助削減が状況を悪化させており、失業率や貧困率が高まっていると報じられている。

「調達のバリューチェーン全体が修復されるまで、作業は止まることなく続けられる」とボコ大統領は演説で述べ、財務省が緊急支出として2億5000万プラ(約27億5000万円)の予算を承認したことを明らかにした。

ボコ大統領は、米ハーヴァード大学で法学を学んだ経歴を持つ。昨年末の選挙では、同氏が率いる野党連合「民主改革のためのアンブレラ(UDC)」が圧勝し、政権を58年間維持した与党を退けた。

就任前には、ダイヤモンドに過度に依存する経済の立て直しを最優先課題に掲げていた。

ボツワナの保健省は今月初め、医薬品不足や10億プラ(約110億円)の債務など「重大な課題」に直面していると発表した。

債務の大半は、公的医療機関が提供しない医療サービスを受けるため、患者が民間病院に入院したことによるとされている。

スティーヴン・モディセ保健相は、がん治療薬、 エイズウイルス(HIV)治療薬、結核対策の医薬品や物資などが不足していると明らかにした。

国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、ドナルド・トランプ米大統領が対外援助を削減する前、アメリカはボツワナのHIV対策費用の3割を支援していた。

この状況でボツワナ保健省は、臓器移植手術を含む選択的手術や緊急性の低い医療処置の紹介を一時的に停止している。

しかし、政府は前向きな姿勢を崩していない。

モディセ保健相は、「近いうちに、必ずやこの困難を乗り越えると確信している。これは決して乗り越えられない問題ではない」と述べた。

ロイター通信によると、軍による物資配送の一環として、首都ハボローネを出発した最初のトラックが、25日夕までに遠隔地に到着する予定だという。

国連児童基金(ユニセフ)も、「ボツワナのすべての子どもの健康と未来を守る」ための「緊急対応」を呼び掛けている。

ユニセフは、ディカールの町で「栄養不良が日常的な課題となっている」と指摘し、「大統領の呼びかけは、現地で我々が目にしている状況を裏付けるものだ」と述べた。