エルサルバドル、米が追放したヴェネズエラ人の本国送還を提案 政治犯と交換で

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中米エルサルバドルのナジブ・アルマンド・ブケレ・オルテス大統領は20日、アメリカから追放され、エルサルバドルの刑務所に収容されているヴェネズエラ人252人について、本国ヴェネズエラに送還すると提案した。引き換えに、ヴァネズエラに同数の政治犯を解放するよう求めている。
ブケレ大統領はソーシャルメディアの投稿で、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領あてに直接、「私はあなた(マドゥロ氏)に対し、追放された252人のヴェネズエラ人全員の本国送還を求める人道的合意を提案したい。その代わりに、あなたが拘束している数千人の政治犯の中から同数の解放を求める」と訴えた。
また、アメリカから追放された多くのヴェネズエラ人が「レイプや殺人」を犯した一方で、ヴェネズエラの政治犯はマドゥロ氏に反対したのが理由で投獄されたと指摘した。
ヴェネズエラでは、昨年7月の大統領選でマドゥロ大統領が3選を果たしたと選管が発表したものの、野党は不正集計だと反発。アメリカを含む国際社会の大多数はマドゥロ氏の再選を認めていない。
ヴェネズエラ政府は政治犯がいないと主張しているが、人権団体によって否定されている。
ヴェネズエラのタレク・ウィリアム・サーブ最高検察官はブケレ氏の提案を批判し、アメリカから追放された人々がどのような犯罪を犯したとされているのか、果たして裁判官の前に出廷したのか、弁護士の支援を受けられたのか、説明するように求めた。
今回の提案では、アメリカ市民を含む他の国籍の収容者約50人についても言及があった。

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ここ数週間で、200人以上のヴェネズエラ人がアメリカからエルサルバドルに移送されている。
トランプ米政権は、この人々がギャング組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーだと非難。対象者をエルサルバドルの巨大刑務所「テロ監禁センター(CECOT)」に収容するため、同国に資金を提供している。
ブケレ大統領は「世界で最もクールな独裁者」を自称。ギャングを大々的に摘発したことで国内の人気を集め、昨年の大統領選で再選した。
一方マドゥロ大統領はかねて、アメリカによるヴェネズエラ人のエルサルバドルへの移送を「誘拐」および「大規模な人権侵害」だと非難している。
アメリカでは今年1月にドナルド・トランプ大統領が就任して以来、政権の強硬な移民政策について法廷闘争が相次いでいる。
アメリカの連邦最高裁判所は19日、トランプ政権に対し、ヴェネズエラ人の国外追放を一時停止するよう命じた。人権団体「アメリカ自由人権協会(ACLU)」は、テキサス州で拘束中の男性たちに異議申し立ての機会が与えられていないとして、移送停止を求めて提訴していた。
トランプ大統領は一連の強制送還に、1798年の「敵性外国人法」を適用している。同法はこれまで、戦時中に3回しか使用されたことがない。
一方、ホワイトハウスは、この法律に基づく大規模追放への異議申し立てを、「根拠のない訴訟」と呼んでいる。











