イランの裁判所、ノーベル平和賞受賞者に新たに禁錮7年半 昨年12月には拘束と暴力

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アレクス・フィリップス記者、ゴンチェ・ハビビアザド記者(BBCペルシャ語)
イランの裁判所は7日、同国の人権活動家でノーベル平和賞受賞者のナルゲス・モハンマディ氏(53)に、新たに禁錮7年半の刑期を言い渡した。モハンマディ氏の弁護士が8日、明らかにした。
モスタファ・ニリ弁護士によると、北部の都市マシャドの裁判所はモハンマディ氏に、「集会と共謀」の罪で禁錮6年、「プロパガンダ活動」で禁錮1年半を言い渡した。
イランの人権擁護センターの副代表を務めるモハンマディ氏は、イランにおける女性の抑制と闘う活動と、人権の促進を評価され、2023年にノーベル平和賞を受賞した。
モハンマディ氏は人生の10年以上を刑務所で過ごしてきた。2021年からは、「国家に対するプロパガンダ活動」や「国家安全保障に対する共謀」の罪でテヘランの悪名高いエヴィン刑務所で、13年の禁錮刑に服している。モハンマディ氏はこれらの罪状を否認している。
モハンマディ氏には昨年12月、医療上の理由で一時釈放が認められた。しかし、この期間に参加した追悼式典で「挑発的な発言」をしたとして、同月12日にイランの治安部隊に拘束された。モハンマディ氏の家族は、同氏がこの時に暴行を受け、病院に連れて行かれたと述べた。
ニリ弁護士は、昨年12月14日以来、初めてモハンマディ氏と連絡を取ったと説明。同氏が追加の禁錮刑に加え、2年の出国禁止命令と、東部クスフ地域への2年の追放刑も言い渡されたと明らかにした。
同氏を支援するナルゲス財団は、2月7日の審理は「見せかけ」のものだと一蹴。また、モハンマディ氏が2日にハンガーストライキを開始したと説明した。
ニリ弁護士によると、同氏は「身体の状態が悪化した」ために3日前の5日に病院に搬送され、その後、収容施設に戻された。
「モハンマディ氏が出来事や拘束の経緯を説明し始めると、通話は切断された」と、ニリ弁護士は述べた。
モハンマディ氏の夫のタギ・ラフマニ氏は、モハンマディ氏が「この司法には正当性がなく」、「結果があらかじめ決められた単なる茶番」だという「揺るがない」信念から、法廷で一切弁護を行なかったと話した。
「彼女はおそらく出廷を強制されたのだろうが、沈黙を貫いた。一言も発さず、書類にも一切署名しなかった」と、ラフマニ氏は語った。
ラフマニ氏はBBCの取材に対し、この判決は「冷酷で非常に不公平だ」と述べ、人権団体に判決への抗議を呼びかけた。
一方、モハンマディ氏の娘キアナ・ラフマニ氏は、母親の状況を「深く心配している」と述べた。
ナルゲス財団は、今回の判決により、同氏が言い渡された刑期の合計が44年になったと述べた。
モハンマディ氏の直近の拘束は、昨年12月のことで、ホスロウ・アリコルディ弁護士の追悼式に出席した際でのことだった。アリコルディ氏は、自分の事務所で死亡しているのが見つかった。
ノルウェーに拠点を置く人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)」は、アリコルディ弁護士が死亡した状況には「不審な点がある」として、死因究明のための独立調査の実施を求めていた。
ナルゲス財団は先に、この追悼式の最中、モハンマディ氏が15人ほどのイラン政府の私服職員らに攻撃されるのを目撃したという人物が複数いたと発表。一部の私服職員は、モハンマディ氏の髪を引っ張ったり、警棒などで殴ったりしていたという。
一方、マシャドのハサン・ヘマティファル検事は記者団に対し、モハンマディ氏がこの式典で拘束された39人の一人だったと説明。同氏とアリコルディ弁護士のきょうだいが、参列者らに「規範に反するスローガンを唱える」よう促し、「治安を乱した」と非難した。
モハンマディ氏は、昨年末に始まった反体制デモの参加者らが当局に殺害されたことについて、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が「人道に対する罪」の責任を負うとした嘆願書に署名した一人だった。
この嘆願書は、ハメネイ師の指示に基づいて行動した人物の訴追と、イスラム共和国体制の終結を求めるもの。1月31日以降、この嘆願書に関与したとして、アブドラ・モメニ氏、メフディ・マフムーディアン氏、ヴィダ・ラッバーニ氏、ゴルバン・ベフザディアンネジャド氏の4人の著名活動家も拘束されている。
アメリカに拠点を置く「人権活動家通信社(HRANA)」は、デモに関連して少なくとも6961人の死亡を確認したと発表。また、5万以上が拘束されたと明らかにしている。
モハンマディ氏の夫のラフマニ氏は、「イラン国内のすべての政治犯の解放」を訴えた。











