【米大統領選2024】 それぞれの半生……ハリス候補とトランプ候補のこれまで

3歳のハリス候補とトランプ候補

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アメリカの有権者は大統領選となると、二大政党の候補のあらゆる姿を果てしなく見せられることになる。壇上から話している姿、集会で支持者にアピールする姿、飛行機のタラップから降りる姿……などなどなど。ここではそれとは少し切り口を変えて、共和党と民主党の両候補のさまざまな姿を見てみたい。

どちらもおそらくまだ、「ホワイトハウス」とは何か知らなかったころ……。民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領が、それぞれ3歳だった時の写真だ。

同じ年齢の写真といっても、現在60歳のハリス候補と78歳のトランプ候補の間には、18歳の年齢差がある。ハリス候補はカリフォルニア州オークランドで、トランプ候補はニューヨーク市クイーンズで、それぞれ幼年期を過ごした。

ハリス候補と妹のマヤ氏は主に、母親に育てられた。母シャマラ・ゴパラン・ハリス氏は、インド人のがん研究者で社会活動家だった。

トランプ候補の父フレッド・トランプ氏は、ドイツ移民の息子だった。母メアリー・アン・マクロイド・トランプ氏は英スコットランド出身だった。夫妻は13歳の息子を、ニューヨーク・ミリタリー・アカデミーに入学させた。

幼いハリス姉妹と軍事学校に入学したトランプ候補

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母親がカナダ・モントリオールのマギル大学で教えることになったため、ハリス候補は中学・高校の5年間をモントリオールで過ごした。その後は米首都ワシントンにある、伝統的に黒人学生が多く通う名門大学、ハワード大学に進学した。

トランプ候補は、1959年から5年間を過ごしたミリタリー・アカデミーで、軍事訓練を受けたほか、指導者としての能力を鍛えられたと振り返っている。ヴェトナム戦争が始まると、5回にわたり徴兵を免除された。4回は学業のため。一度は、両足のかかとに骨棘(こつきょく)という突起ができたとの診断を受けてのことだった。

学生時代の両候補

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ハリス候補は幼いころから母親に、公民権運動の重要性を教えこまれた。2004年にはワシントンで、毎年恒例のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を記念する自由の行進に参加した。

トランプ候補は、ペンシルヴェニア大学ウォートン校で学位を得た後、父親の跡を継いで家業を受け継ぐ最有力候補となった。

ワシントンで行進するハリス候補(左から3人目)と、オフィスで電話をするトランプ候補

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大学卒業後にハリス候補はカリフォルニアへ戻り、サンフランシスコのカリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールで学んだ後、1990年にカリフォルニア州の弁護士資格を取得した。

その後は、アラミーダ郡で検事となったのを皮切りに、サンフランシスコ地区検事として州内の刑事司法で頭角を現し、2011年にはカリフォルニア州司法長官となった。その勢いをばねに2016年には同州選出の連邦上院議員となった。

ハリス氏が上院議員になった同じ2016年11月の選挙で、トランプ候補は民主党のヒラリー・クリントン候補を破り、世界を愕然とさせ、そして翌年1月に大統領となった

その3年後、ハリス氏は上院議員として大統領選に出馬したものの、大統領候補としてはあまりぱっとしなかった。しかし、民主党予備選に勝利して大統領候補になったジョー・バイデン氏に、共にホワイトハウスを目指す副大統領候補に選ばれ、2020年11月にはトランプ大統領とマイク・ペンス副大統領の現職コンビを破った

2021年に副大統領になったハリス候補と、2017年に大統領になったトランプ候補

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トランプ政権の終盤からバイデン政権の発足にかけて、アメリカでは新型コロナウイルスの感染対策のためのロックダウン、マスク着用ルールをめぐる論争、そしてミネソタ州ミネアポリスで警官に押さえつけられたジョージ・フロイドさんが死亡する事件があり、国内は騒然としていた。

マスクをつけた両候補

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ハリス候補は副大統領として頭角を現すことに苦労することもあったが、アメリカ全国で女性の妊娠中絶権を保障していた重要判例を2022年に連邦最高裁が覆したのを受け、女性の中絶権はハリス候補が掲げる重要課題のひとつになった。

ハリス副大統領が女性の選択権を擁護するホワイトハウスの顔となることを、バイデン大統領は歓迎した。

そもそも連邦最高裁が中絶権の保護を終わらせる判決を下すに至ったのは、トランプ大統領(当時)が最高裁に保守派の判事を次々と指名したことの、帰結だった。

トランプ大統領はこのほか、国際社会の気候変動対策合意「パリ協定」からアメリカを離脱させ、アメリカに入る移民を減らす施策を実施した。

ホワイトハウスの大統領執務室にいる両候補

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ハリス氏は副大統領として2021年にグアテマラを訪れ、外交デビューした。アメリカとメキシコの国境に押し寄せる中南米系の移民の数を減らすという課題を、与えられてのことだった。

副大統領在任中には、ウクライナとパレスチナ・ガザ地区での戦争、そして米軍のアフガニスタン撤収に伴う混乱が、アメリカ外交においてきわめて重要だった。

トランプ候補が大統領として初めて外国を訪れたのは2017年で、行先はサウジアラビアだった。同候補は、アメリカを外国の紛争から切り離し、アメリカ産業を推進するという孤立主義政策を支持している。

外国を訪問する両候補

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ハリス候補は、下の写真に一緒に写っているダグ・エムホフ弁護士と2014年に結婚した。選挙戦でエムホフ氏は精力的に、妻の代理として選挙活動を続けてきた。同氏の最初の妻との子供たち、息子コールさん(写真左)と娘エラさん(同右)は、「ママ」と「カマラ」を合わせてもじった「ママラ」という愛称で継母を呼んでいる。

トランプ候補の家族もこれまでさまざまな形で、同候補の政治キャリアにかかわってきた。ただし、2024年大統領選では妻メラニア夫人はあまり表立って活動していない。

最初の妻イヴァナ・トランプ夫人との間には、子供が3人いる。ドナルド・ジュニア氏(下の写真の左から2人目)とイヴァンカさん(右から2人目)とエリックさん(右)だ。2人目の妻マーラ・メイプルズさんとの間には、娘ティファニーさん(左)がいる。妻メラニアさんとは2005年に結婚し、2人には息子バロンさんがいる。

両候補の家族写真

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ハリス候補は2024年7月、再選を目指していたバイデン大統領の撤退に伴い、大統領候補となった。

アフリカ系とアジア系アメリカ人の女性として初めて、主要政党の大統領候補になり、イリノイ州シカゴで8月末に開かれた民主党全国大会で指名受諾演説をするに至った。

対するトランプ候補は、共和党から3度目の候補指名を得た。一人の政治家が同じ政党から3度も大統領候補に指名されるのは、きわめて異例なことだった。ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれた共和党全国大会では、その直前に集会で撃たれ、負傷した耳に包帯をつけて登場した。

指名受諾演説をする両候補

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