ウクライナ東部ハルキウのホテルにロシアのミサイル、11人負傷 「民間人だけだった」と当局

ロシア軍のミサイル攻撃でひどく破壊されたホテル(10日、ウクライナ・ハルキウ)

画像提供, State Emergency Service of Ukraine/Reuters

画像説明, ロシア軍のミサイル攻撃でひどく破壊されたホテル。ウクライナはホテル内に軍関係者はいなかったと主張している

ウクライナ第2の都市ハルキウで10日、ロシア軍のミサイル2発がホテル1棟を直撃し、11人が負傷した。 ハルキウ州のオレグ・シネグボフ知事が発表した。

ウクライナ国家緊急サービスが公開した複数の画像には、ひどく損傷したホテルと、駆けつけた消防隊員が写っている。

シネグボフ知事によると、州都ハルキウで10日午後10時30分ごろ、ロシアの長距離地対空ミサイル「S-300」2発が着弾した。負傷者には複数のトルコ人ジャーナリストも含まれるという。

負傷者9人が病院に搬送された。このうち、35歳の男性は重体だと、シネグボフ知事はメッセージアプリ「テレグラム」で明らかにした。

ウクライナのウニアン通信は、ハルキウ市のイホル・テレホフ市長の話として、攻撃を受けたホテルには当時、「軍関係者はまったくおらず」、いたのは民間人30人だったと報じた。ホテルはハルキウ市中心部に位置し、近隣の複数の住宅や車も被害を受けたと、市長は話したという。

ロシアはこの2週間、ウクライナ各地の都市への空爆を強化している。

ウクライナ当局によると、こうしたドローン(無人機)やミサイルによる攻撃で、これまでに民間人数十人が死亡している。

ハルキウ市はロシアとの国境から30キロメートルしか離れていない。2022年2月にロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウウクライナに対する全面侵攻を開始して以降、空爆による甚大な被害を受けている。

ゼレンスキー氏、防空支援の強化を要請

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日、リトアニアを訪問。西側の協力国に対し、防空兵器の追加供与を要請した。リトアニアはウクライナのロシアへの抵抗を最も強固に支える国の一つ。

「我々にとって最も欠けているのが防空システムだ。ドローンと戦う必要がある。リトアニアやそのほかの多くのパートナー国と合意を結べていることをうれしく思う」と、ゼレンスキー大統領はリトアニアの首都ヴィリニュスで語った。バルト3国のリトアニア、ラトヴィア、エストニアは旧ソヴィエト連邦の構成国で、現在は北大西洋条約機構(NATO)に加盟している。

ドイツのキール世界経済研究所の報告によると、リトアニアのウクライナへの軍事支援額は、国内総生産(GDP)比ではノルウェーに次ぐ世界2位。ただ、ウクライナの国防面へのアメリカの貢献度は圧倒的に大きい。

ゼレンスキー氏は、プーチン氏は「ウクライナを破壊するまで静まらないだろう」と述べたと、インタファクス・ウクライナは報じた。

「彼(プーチン氏)は我々を完全に占領しようとしている。そして、ウクライナへの資金援助や軍事援助、素早い対応に対するパートナー国の疑念が、ロシア連邦に勇気と力を与えることもある」

さらに、プーチン氏は「これ(戦争)を終わらせるつもりはないだろう。我々全員が(戦争を)彼ともども終わらせるまでは」と述べ、次に狙われるのはバルト3国とモルドヴァ「かもしれない」と警鐘を鳴らした。

西側諸国と集中協議

ゼレンスキー氏はここ数日、ロシアに抵抗するうえで不可欠な武器の供給を維持するために、西側の協力国と集中的な協議を行っている。昨年後半にウクライナ軍が開始した反転攻勢ではほとんど進展がなかった。また、西側諸国の中にはウクライナ政府の戦略を疑問視する国もあり、戦費をめぐる懸念が高まっている。

ロシアが軍事支出を大幅に増やすと表明するなか、NATO加盟国は砲弾やそのほかの重火器の製造拡大に苦慮している。

欧州連合(EU)のウクライナに対する500億ユーロ(約7.8兆円)の軍事支援は、ハンガリーが拒否権を発動し行き詰っている。米議会でも、新たな軍事支援をめぐり分断が生じている。

NATOは9日、ウクライナ政府とのビデオ会談後、ウクライナに今年、「数十億ユーロ相当」の追加支援を提供する計画があるとした。

「NATOは、北朝鮮やイランから供与された武器を含む、ウクライナの民間人に対するロシアのミサイル攻撃やドローン攻撃を強く非難する」と、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は述べた。

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