オーストラリアで国民投票、先住民の声を政策に反映する機関創設に反対多数

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オーストラリアで14日、先住民の政治的権利を拡大するための計画について国民投票が行われ、圧倒的な反対多数で否決された。
先住民を豪州の「ファースト・ネイション(最初の人々)」として承認し、政府に政策提言するための機関を創設するという政府案に、全6州が反対した。
アンソニー・アルバニージー首相は厳しい結果だと認め、「高みを目指すと、たどり着かずに落下することもある。そういう事態だと理解しているし、結果を受け入れる」と述べた。
野党・自由党のピーター・ダットン党首は、「この国にとって良い結果」だと歓迎した。
「The Voice(声)」と呼ばれた今回の国民投票は、1999年以来。大半の開票が終わった時点で、政府案への「反対」は約60%、「賛成」は40%だった。
投票に向けて、国内では厳しい運動を賛成派、反対派の双方が繰り広げた。
政府案賛成派は、先住民の地位を憲法で承認することで、オーストラリアは一致団結して新時代へ臨めるようになると主張した。
反対派は、政府案は国民を分断するもので、一部の市民が優遇されることになると反論。新しい政府諮問機関を作れば、政府の政策決定に遅れが出るとも反対した。
「議会への声」機関の設置は、オーストラリア国民の融和と一致を目指して、先住民代表たちが2017年にまとめた「心からのウルル声明」で提案された。
オーストラリアの先住民、アボリジナルとトレス海峡諸島民が国の人口2600万人のうち3.8%を占め、約6万年前からオーストラリアに暮らしているものの、現在のオーストラリア憲法で言及されていない。国内で最も不利な状況に置かれていることが、ほとんどの社会経済指標で示されている。

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先住民ブンジャランで、政府案に反対してきたウォーレン・ムンディーンさんは、「アボリジナル(先住民)は発言できていないというのはうそで、そのうそをもとにした今回の国民投票はそもそも行うべきではなかった」と述べた。
一方、先住民クアラレグと同カルカルガルと同エルバムレ・トレス海峡諸島出身で、賛成派で活動してきたトマス・メイヨさんは地元メディアに、「先住民の代表たちは懸命に活動してきた(中略)しかし、不誠実でひどい反対運動がオーストラリア国民にうそをついた」と批判。「自分はオーストラリア国民をまったく批判したりしないが、この結果は国民にうそをついた反対派のせいだ」と述べた。
賛成運動を推進してきたディーン・パーキンさんは、先住民でない国民から権利を奪うのが目的だという反対派の主張を否定。「かたくなではない心で今回、ノーと投票したオーストラリアの人たちに、直接語りかけたい。アボリジナルとトレス海峡諸島民は、皆さんから何かを取り上げるつもりなど決してなかった」、「自分たちの先住民の物語と文化を携えて皆さんの中に参加し、皆さんのものを奪ったり薄めたりするのではなく、皆さんのものに追加して強くしてより豊かにしたかった」のだと述べた。








