中国、8月の日本産水産物輸入は67%減 処理水放出で全面禁輸

画像提供, Reuters
中国の税関当局は18日、8月に日本から輸入した水産物の総額が前年同月比67.6%減の1億4902万元(約30億2000万円)だったと発表した。日本は先月24日に、東京電力福島第一原発にたまる処理水を太平洋に放出する作業を開始し、中国はこれに反発している。
日本の農林水産省によると、中国は、日本の水産物の最大輸出先。
アジア最大の経済大国である中国は昨年、日本から総額約844億円の水産物を輸入していた。
日本が福島第一原発の処理水の海洋放出に向けた準備を進め、実際にそれを始める中、中国への輸出は急激に落ち込んだ。
福島第一原発では2011年3月の東日本大震災以降、原子炉の冷却に使用された134万立方メートルの水が処理され、ためられてきた。これまでに1000基以上のタンクが満杯になっていた。
日本は先月24日に海洋放出を始めた。放出完了には、30年程度という長い年月がかかると見込まれている。中国は同日午後、日本の水産物の輸入を全面的に禁止すると発表した。
当時、日本とその周辺地域の漁業団体も、海洋放出による生活への影響について懸念を表明していた。
処理水の安全性は
日本は処理水は安全だとしており、多くの科学者もこれに同意している。国際原子力機関(IAEA)は2年にわたる評価の末、処理水の放出が人や環境に与える影響は「無視できる程度」だとして放出計画を承認している。
東電は福島原発の汚染水を多核種除去設備(ALPS)でろ過し、トリチウムと炭素14以外のほとんどの放射性物質を、許容できる安全基準まで減らしている。
日本政府は、中国やフランスの原発からも同様の廃水放出が行われていると強調している。
東電は放出開始から約1カ月は毎日10カ所で海水を採取し、翌日に分析結果を公表する方針。さらにその後も、分析を続けていく方針という。
これまでの報告では、福島原発周辺の海水からは、検出可能な濃度の放射性物質は確認されていないことが示されている。
投石やいたずら電話
中国はこの放出に強く抗議している。こうした中、青島市の日本人学校に石が投げつけられる出来事があった。放出をめぐる偽情報も出回っている。福島の地元企業などには、中国から嫌がらせの電話が殺到した。
日本の外務省は、中国に滞在する日本人に対し、「外出する際には、不必要に日本語を大きな声で話さないなど、慎重な言動を心がける」よう呼びかけている。
岸田文雄首相は、国内消費の拡大や新たな海外市場の開拓などで水産業を支援するとしている。
東電は、処理水放出により風評被害が発生した場合、「統計データなどを活用して、対象地域における風評被害の有無を確認し、適切に賠償」するとしている。
日本政府は、岸田首相が福島県産の刺身を食べて、「おいしい」と言う動画を公開し、安全性を示そうとしている。小泉進次郎元環境相は南相馬市の海岸を訪れ、サーフィンをして福島の海は安全だとアピールした。
エコノミストたちは、日本から中国への輸出は自動車と機械が中心だと指摘。水産物の輸出の落ち込みが日本経済全体に大きな影響を与える可能性は低いとしている。







