中国の教科書、コロナ対策で「重大な成果」と記述 疑問の声も

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中国の中学校の歴史の教科書に、新型コロナウイルス対策で「重大な成果を収めた」という記述が確認され、インターネット上で議論を呼んでいる。
動画アプリTikTok(ティックトック)の中国版「抖音(ドウイン)」に、教科書の一部を映した短い動画が投稿され、26日にトレンド入りした。
歴史の教員とみられるユーザーがアップロードしたもので、「歴史の教科書にすでに書き刻まれている」とのキャプションが付いている。
中国共産党の政治局常務委員会は2月、新型ウイルスのパンデミックで「決定的な勝利」を収めたと宣言した。昨年12月には、感染対策に対する全国的な抗議行動が続く中、「ゼロコロナ」政策の大幅緩和を発表した。
中国は新型ウイルスに関するデータの共有をめぐり、透明性がないと非難されてきた。
新型ウイルス対策で「重大な成果」
BBCは、中国の大手教科書出版社「人民教育出版社」が発行した教科書のコピーを入手した。新型ウイルスに関する記述は、「社会生活の変化」を特集したページに載っている。
1970年代の改革開放以降、国民の所得は増え、ライフスタイルが変化したことを説明する段落の隣に、「COVIDとの戦い」に言及するセクションが設けられている。
そこには「我が国は、人民至上主義、生命至上主義を堅持し、人民の生命の安全と健康を最大限に保護した」と書かれている。
また、「パンデミックの防止および制御を調整する上で重大な成果を収めた」としている。
2020年にパンデミックが始まって間もなく、中国はロックダウンの実施や、市民を強制的に隔離できる厳しいゼロコロナ政策を導入した。この政策に対する抗議が国内で広まり、昨年12月に制限の大半が解除された。
ネットでは疑問の声
感染対策に関する教科書の記述は、新型ウイルスに勝利したとする中国の指導部の主張を繰り返すものだ。だが、教科書に真実が全て含まれているのか、多くの人が疑問視している。
抖音のあるユーザーは、「それ(コロナ対策)がどのように終わったのか、言及はありますか?」とのコメントを書き込んだ。「歴史の教科書にコロナ対応に関する記述がある」と題されたトピックは、500万回以上閲覧されている。
「なんでずうずうしくもそんなことを書けるんだ?」というコメントや、「あのページに載っている一文字一文字が、私たちの苦しい3年間をあざ笑っているようだ」と書き込む人もいた。
コメントの大半は、パンデミック下の体験を反映した内容だった。
「私たちは歴史を目撃した」というコメントには最も多くの「いいね」が集まった。
中国は新型ウイルスによる致死率が世界で最も低い国のひとつだと主張している。世界保健機関(WHO)のデータによると、2020年1月3月以降の同国の死者数は12万923人。
病院や火葬場がひっ迫していたことを示す証拠があるにもかかわらず、中国は死者数を過少報告してきたとして、広く非難されている。







