新型コロナウイルスの起源、中国研究所の可能性が「最も高い」=米FBI長官

FBI Director Wray

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画像説明, 米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官

米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は2月28日、新型コロナウイルスの起源が「中国政府が管理する研究所」である可能性が「最も高い」との見方を示した。

レイ氏は米FOXニュースのインタビューで、「FBIはしばらく前から、今回のパンデミックの起源は研究所の事故である可能性が最も高いとみている」と述べた。

FBIが新型ウイルスの発生源について、機密扱いの判断を公に示したのは初めて。

前日の27日には、アメリカのニコラス・バーンズ駐中国大使が中国に対し、「新型ウイルス危機の原点に絡んで、3年前に武漢で何が起きたのかについてもっと正直になる」よう求めていた。

新型ウイルスの起源をめぐっては、中国・武漢の研究所から流出したとの説が出ている。しかし、中国はこれを否定しており、中傷だとしている。

中国外務省の毛寧報道官は27日、研究所からの流出説を改めて否定。

米当局に対し、「中国に対する中傷と発生源の政治的な追及をやめる」よう求めた。

中国が特定を妨害と

レイ氏はFOXのインタビューで、世界的パンデミックの発生源を特定する努力を、中国が「妨害し不明瞭にしようとしてきた」と主張。「誰にとっても不幸なことだ」とした。

新型ウイルスに関しては、海産物・野生動物を取り扱う中国・武漢の華南海鮮卸売市場で、人間が動物から感染した可能性があると、一部の研究が示唆している。

同市場は、コロナウイルスの研究で世界有数の「武漢ウイルス研究所」から車で40分のところにある。

Wuhan map

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Presentational white space

米政府の他の機関は、FBIとは異なる結論を出している。その自信の程は機関によってまちまちだ。

米メディアは26日、米エネルギー省が、新型ウイルスは研究所から流出したと「低度の確実性」で結論づけたと報じた。同省はそれまで、新型ウイルスの起源は特定できていないとしていた。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は27日、新型ウイルスの発生源を突き止めるための「全政府的な取り組み」をジョー・バイデン大統領が支持すると説明。

ただ、アメリカとして明確な統一見解を出すにはまだ至っていないとした。

かつては陰謀論とされたが

2021年10月に米情報機関トップが公表した機密解除された報告によると、アメリカの4つの情報機関は「低度の確実性」ながら、新型ウイルスは感染した動物か関連するウイルスに由来するとした。

研究所から流出したとの説は、パンデミックが最大の時期には広く、陰謀論と片付けられていた。保健当局の最高幹部らは、新型ウイルスが実験室で作られ流出したとの見方を公に否定していた。

世界保健機関(WHO)も調査をもとに、流出説を「可能性が極めて低い」とした。しかし、その調査が大きな批判を浴びると、WHO事務局長は新たな調査を指示。「すべての仮説は打ち消されておらず、さらなる研究が必要だ」とした。

新型ウイルスは2019年末に初めて出現した。これまでに約700万人の死者が出ている。