英たばこ大手BATに約840億円の罰金、対北朝鮮制裁に違反 米司法省

KJU smoking in 2017

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画像説明, 北朝鮮の金正恩総書記はヘビースモーカーで知られる(2017年撮影)

米司法省(DOJ)は25日、英たばこ大手「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」(BAT)が、対北朝鮮制裁違反で罰金6億2900万ドル(約840億円)を納付することを明らかにした。

米司法省の発表によると、今回の罰金は、2007年から2017年にかけての北朝鮮でのBATの活動に関連するもの。BATと米司法省、米財務省の外国資産管理局(OFAC)との間で合意が成立した。

BATのジャック・ボウルズ最高経営責任者(CEO)は、「私たちは違法行為を深く後悔している」と述べた。

アメリカは北朝鮮の核・弾道ミサイル開発活動をめぐり、厳しい制裁を科している。

BATは世界最大のタバコの多国籍企業の一つで、イギリスの10大企業に含まれる。ラッキーストライクやダンヒル、ポール・モールといった主要ブランドを所有する。

BATは声明で、同社が「DOJとの起訴猶予合意(DPA)およびOFACとの民事和解に至り、シンガポールのBAT子会社がDOJとの司法取引に応じた」と説明した。

司法省は、BATが金融機関に北朝鮮の団体に代わって取引を処理させるために、共謀して金融機関を欺いていたとも指摘した。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記はヘビースモーカーで知られる。アメリカは昨年、国連安全保障理事会で北朝鮮へのタバコ輸出を禁止しようとしたが、ロシアと中国が拒否権を行使し否決された。

「手の込んだ計画」

司法省国家安全保障部門のマシュー・オルセン司法次官補は25日、今回の合意は「長期にわたる捜査の集大成」だとし、「北朝鮮制裁をめぐるペナルティとしては、司法省史上、唯一の最大のペナルティ」だと述べた。

オルセン氏は、BATが子会社を通じて「アメリカの制裁を回避して北朝鮮にたばこ製品を販売するという手の込んだ計画」に関わっていたと述べた。

「2007年から2017年にかけて、これらの第三者企業は北朝鮮にたばこ製品を販売し、約4億2800万ドルを受け取っていた」

北朝鮮へのたばこ販売を促進したとして、北朝鮮の銀行員シム・ヒョンソプ被告(39)、中国人仲介者のチン・グオミン被告(60)とハン・リンリン被告(41)が訴追されたことも明らかになった。

シム被告の逮捕や有罪判決につながる情報には500万ドルが、ほかの2人についてはそれぞれ50万ドルの懸賞金がかけられた。

3人は北朝鮮国営のたばこメーカーの葉たばこを購入し、書類を偽造してアメリカの複数の銀行をだまし、7400万ドル相当の取引を処理させたとされる。朝鮮人民軍が所有するメーカー1社を含む北朝鮮の製造業者は、こうした取引で約7億ドルの利益を得ていたという。

北朝鮮政府は長年、弾道ミサイルの発射実験や核実験をめぐり、国際社会による厳しい制裁に繰り返し直面してきた。

それでも、金氏は兵器開発計画を継続している。