袴田さんの再審開始、東京高裁が認める 世界で最も長く拘置された死刑囚

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半世紀近く死刑囚として拘置されていた袴田巌さん(87)について、東京高裁が13日、再審開始を認めた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、袴田さんは世界で最も長い期間、拘置された死刑囚。
1966年に勤め先の静岡県のみそ製造会社の専務とその妻、2人の子どもを殺害したとして強盗殺人罪などに問われ、1968年に死刑判決を受けた。専務一家は火災の焼け跡から刺殺体で見つかった。
元プロボクサーの袴田さんは、20日間の尋問の末に犯行を自白した。袴田さんは尋問中に殴られたとしている。裁判では自白を撤回した。
人権団体は、日本の司法が自白に依存していると批判している。また、警察が力ずくで自白を得ることも多いとしている。
再審では、犯人が着ていたとされる衣類から見つかった血痕のDNAが袴田さんのものと一致するかを判断することになる。
弁護団は、それらのDNAは一致せず、衣類の証拠はねつ造されたものだと主張してきた。
9年前に釈放
袴田さんは2014年に釈放され、静岡地裁で再審開始が認められた。決定では、捜査員が証拠を仕組んだ可能性があるとした。しかし東京高裁は2018年、再審の決定を取り消した。
これを受けて袴田さん側が上告し、最高裁は高裁に審理を差し戻した。そして、この日の再審開始を認める決定となった。

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「この日が来るのを57年間待っていました」。袴田さんの姉で、長年、弟の無実を訴えて活動してきた秀子さん(90)は、決定を受けてそう話した。
袴田さんの家族によると、袴田さんは何十年も拘禁されていた影響で、精神状態が悪化しているという。
日本はアメリカとともに、主要な先進民主国の中でいまだに死刑を採用している例外的な国だ。
アムネスティは再審開始を認める決定を、「正義を実現させる大幅に遅れたチャンス」だとして歓迎した。
アムネスティ・インターナショナル日本の中川英明事務局長は、「袴田さんの有罪判決は強制された『自白』に基づいており、他の証拠にも重大な疑問がある」と話した。
検察側が特別抗告をすれば、再審開始まではまだ何年もかかる可能性がある。弁護士たちはこうした制度に抗議している。
日本の弁護士らは今回の高裁決定を歓迎すると同時に、検察に対して「最高裁に特別抗告を行うことなく、速やかに再審公判に臨む」よう求めた。
日本弁護士連合会の小林元治会長は、「袴田氏は、現在87歳の高齢であり、47年もの長期間の身体拘束によって心身を病むに至っており、袴田氏の救済に一刻の猶予も許されない」とする声明を出した。

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