モルドヴァ、ロシアの「心理戦」を非難 ウクライナが攻撃計画との主張めぐり

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モルドヴァの親欧州連合(EU)派政権は23日、同国の親ロシア派支配地域への攻撃をウクライナが計画しているとするロシアの主張を否定し、冷静さを求めた。
ロシアの国防省は先に、ウクライナの破壊工作員らがロシア兵を装い、ウクライナ侵攻にかこつけ、モルドヴァのトランスニストリア地域に侵入する可能性があると、証拠を示さずに主張した。
モルドヴァはウクライナと国境を接しており、東部トランスニストリア地域にはロシア兵が駐屯している。
モルドヴァはこのところ、ロシアがモルドヴァの転覆を図っていると警告。今回のロシアの主張についても、戦争の一環としての「心理戦」だと否定した。
ヴァレリウ・ミジャ国務長官は、「モルドヴァの国防省は、これは現実の計画ではなく心理作戦の一部だとみている」と述べた。
隣国ルーマニアを訪問中のマイア・サンドゥ大統領は、今後、前例を見ない安全保障上の困難が待ち受けていると語った。
「モルドヴァを崩壊させ、ロシア政府の利益に隷属する傀儡(かいらい)政権を首都キシナウに樹立させたいという人もいた」と、サンドゥ氏は述べた。
モルドヴァは北大西洋条約機構(NATO)に加盟していないが、昨年6月、ウクライナとそろってEU加盟候補国となった。アメリカのジョー・バイデン大統領は先にサンドゥ氏と会談し、モルドヴァの主権を支持すると約束している。
ロシアのウクライナ侵攻による影響
人口260万人のモルドヴァは欧州最貧国のひとつで、その経済はロシアのウクライナ侵攻の影響を大きく受けている。
特にエネルギーに関しては、ソ連時代のインフラをなお使っており、深刻な危機に陥っている。ロシアがモルドヴァへのガス供給を減らしているほか、ウクライナの電力インフラへの攻撃でも影響を受けた。
インフレとウクライナからの難民の急増で国民の生活は圧迫されており、大衆主義・親ロ派政党「SOR」が主導するデモにつながった。

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また、ドリン・レチャン新首相が「ハイブリッド攻撃」と呼ぶ事案も明らかに加速している。
前任のナタリア・ガブリッツァ首相が辞任した今月上旬には、ロシアのミサイルがモルドヴァ領空を通過してウクライナを攻撃した。ガブリッツァ氏は、モルドヴァが「複数の危機」に直面していると語っていた。
サンドゥ大統領は13日、ロシアが外国の「破壊工作員」を使い、モルドヴァでEU寄りの政権を倒そうとしていると非難した。これにはロシアやセルビア、ベラルーシ、モンテネグロ国籍の人物が関わっていたという。計画は政府機関を襲撃し、人質を取り、抗議活動を起こさせることで、「ロシアに奉仕する」政権への交代を促すものだったとされる。
この発表の後、キシナウでの試合のためにモルドヴァへ向かっていたセルビア人のサッカーファン12人が、入国を拒否された。
ロシア政府は、モルドヴァが反ロシアのヒステリーを起こしていると非難し、言動には「非常に、非常に注意する」よう警告した。
政治アナリストのデニス・セヌサ氏は、モルドヴァの親ロシア勢力に対する最大の弱点は、国内の社会経済的安定だと指摘。ロシアが短期的には失敗しても、今年の地方選や来年の大統領選で成功する可能性があると述べた。
トランスニストリア地域とは
モルドヴァ東部、ドニプロ川とウクライナ国境の間にあるトランスニストリア地域にはロシア語話者が多い。1990年にソ連が崩壊した際には、モルドヴァからの分離を宣言したが、国際的には認められていない。
国境をめぐる争いは1992年に停戦となったが、それ以降はロシア兵1500人が駐屯している。


1年前にロシアがウクライナ侵攻を開始した際には、ロシア軍がウクライナ南部の港湾都市オデーサと、トランスニストリア地域全体の海岸を占領するのではないかという懸念が広がった。
そうした事態には至っていないものの、モルドヴァ政府が今警告していることは、2022年4月に起こったことを彷彿(ほうふつ)とさせる。
当時、トランスニストリア地域では謎の爆発が相次いだ。分離派当局は、爆発はこの地域の国家安全保障当局や、ソ連時代のラジオ塔、軍の部隊を襲ったものだと述べた。
当局はまた、爆発はウクライナの「潜入者」によるものだと主張。これに対しウクライナ政府は、ロシアの特別部隊を非難し、モルドヴァを脅して状況を不安定化させようとしていると指摘した。
分離派のソーシャルメディアチャンネルは今週初め、ウクライナの軍需品がウクライナとモルドヴァを結ぶ高速道路で目撃されたと主張。しかし示された写真は説得力がなく、小型の装甲車数台とウクライナ国旗しか写っていなかった。
トランスニストリア地域の平和維持団体を率いるオレグ・ベルヤコフ氏は、住民にパニックの様子はないが、ロシアの警告は「深い懸念の理由になる」と話した。









