トルコ南東部で大きな地震、トルコとシリアで計7800人以上死亡

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トルコ南東部のシリア国境に近いガジアンテプ市付近で6日未明、マグニチュード(M)7.8の大きな地震があった。同日午後にも、近くでM7.5の揺れが起きた。トルコやシリアの当局によると、両国で確認された死者は8日までに計7800人を超えており、さらに増える見通し。
AFP通信によると、トルコでは5894人の死亡が確認された。シリアでは少なくとも1932人が死亡したと伝えられている。
両国の死者は計7800人を超えたことになる。救助活動が続く中、死者は今後さらに増すことが確実視されている。

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世界保健機関(WHO)は、死者数は大幅に増える可能性があるとしている。
震源地の西のトルコ南部ハタイ近郊などでは、ガスのパイプラインが破裂し、火災が発生した。

米地質調査所によると、現地時間午前4時17分(日本時間同10時17分)に、ガジアンテプ市付近でM7.8の揺れが発生した。震源の深さは17.9キロ。
揺れは首都アンカラなどトルコの各都市や、広い地域でも感じられた。国外ではシリア、レバノン、キプロスでも揺れが感じられた。
現地時間6日午後1時24分(日本時間同7時24分)ごろには、再び大きな地震が発生。震源はカフラマンマラシュ県のエルビスタン地区だった。米地質調査所によると、地震の規模はM7.5だった。
トルコの首相府防災危機管理庁(AFAD)によると、2度目のこれは余震ではなく、別の地震だったという。




おびえながら夜を明かす
現地では6日夜、被災者らが不安を覚えながら朝を待った。
震源地に近いトルコ南部オスマニエで取材するBBCのアナ・フォスター記者は、通りのあちこちにがれきの山があり、店の前には割れたガラスが散らばっていると報告。道路の多くは舗装が割れて通行できず、橋も崩壊しているとした。
路上では人々がたき火を囲んでいるとし、ある家族は怖くて家の中に戻れず、外で夜を明かすつもりだと話したと伝えた。
また、この夜は強い雨が降っており、救助活動に支障が出ているとした。
トルコ南部カフラマンマラシュ市では、住む家を失った人々がたき火の周りに集まり、暖を取った。
ある女性は行き場がないとし、「私たちにはベッドさえない」と言った。
男性の一人は、家族全員が今朝から何も食べていないと話した。
被災各地で食料と避難場所の提供も進められている。トルコ南東部ディヤルバキクルでは、何百人もが食料を求めて列を作った。役所の建物に避難した人もいた。

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欧米や日韓、ロシアも支援を表明
イギリスのリシ・スーナク首相はツイッターで、「トルコとシリアの人々のことを思っている。特に、地震によって身動きの取れない人たちの救助に果敢に取り組んだ人たちのことを思っている。イギリスは、できる限りの支援を提供する」と表明。ほかにも、フランス、ドイツ、インド、北大西洋条約機構(NATO)などの首脳が次々に、支援提供の姿勢を示した。
アメリカのジョー・バイデン大統領は、「トルコとシリアの地震による人命損失と破壊を、深く悲しんでいる。トルコ政府と調整しながら事態を注視し、必要なあらゆる支援を提供するよう、チームに指示した」とツイート。その後、トルコのエルドアン大統領に、「アメリカは必要なあらゆる支援を提供する用意がある」と伝えた。
ホワイトハウスの声明によると、バイデン氏は「米チームがトルコの捜索・救助活動を支援し、医療サービスや基本的な救援物資など被災者が必要な他の支援を調整するため、迅速に展開していると述べた」という。
日本も捜索・救助活動を支援するため、日本時間6日夜、国際緊急援助隊を派遣した。外務省は、「トルコ政府の要請を踏まえ、また人道的観点及びトルコとの友好関係に鑑み、人道支援のため緊急援助を行うこととした」とする報道発表を出した。
韓国でも7日朝、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が、救助隊と緊急医療品をトルコに送るよう指示した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、トルコとシリアの両国に哀悼の意を表し、支援を約束。AFP通信によるとプーチン氏は、シリアのバシャール・アル・アサド大統領には「負傷者の素早い回復を願い、この自然災害の影響克服に必要な支援を提供する用意がある」と伝えたほか、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領には、被害者遺族に「真心からのお悔やみと支援の言葉を伝えてほしい」と述べ、ロシアは「必要な支援を提供する用意がある」と表明した。

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世界各国からは、専門の救助隊がトルコに向かっている。被災地に到着次第、がれきの中からの生存者発見にあたる。
多くの国は、特別な訓練を受けた消防士や医療従事者、機材、救助犬などを派遣している。

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1939年以来の被害規模
トルコのエルドアン大統領は、トルコで起きた地震としては1939年以来の被害規模だと話した。
また、オクタイ副大統領は、被災したガジアンテプ、カフラマンマラシュ、ハタイ、オスマニエ、アドゥヤマン、マラティヤ、サンリウルファ、アダナ、ディヤルバクル、キリスの10県・都市では、学校を1週間休校にすると説明した。
また、ハタイ県の空港は一時的に閉鎖され、マラスとアンテプ両県の空港も民間航空機の発着が停止された。



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「この世の終わりかと」
シリアではラタキアから首都ダマスカスにかけて国の西側で揺れが感じられたほか、反政府勢力が支配するトルコとの国境沿いの地域でも大きな被害が出ている。国境沿いでは、もろい造りの建物が多く、医療へのアクセスも乏しい。
シリアの民間防衛救助団体「ホワイト・ヘルメッツ」がオンラインで共有した動画には、北部アレッポで暗がりの中、避難や応急手当てが進められる様子が映っている。
最初の震源地の北郊トルコ・カフラマンマラシュに住むメリサ・サルマンさんは、地震多発地帯に住んでいるので「揺れ」には慣れているものの、「今日みたいな揺れは初めて」で、「この世の終わりかと思った」と話した。
トルコ南東部ディヤルバクル市にいるBBCの記者は、市内のショッピングモールが倒壊したと伝えた。
トルコ中部マラティヤに住むオズギュル・コナクチさん(25)はBBCトルコ語に対して、「余震のせいで目の前で建物の窓が吹き飛んだ」と話した。「今はとても寒くて雪が降っている。みんな表に出ていて、どうしたらいいか混乱している」。
トルコ南部アダナに住むニリュフェル・アスランさんは、「こんなことは見たこともない」とBBCに話した。家族と集合住宅の5階に住んでおり、揺れは1分近く続いたという。揺れが収まり、何も持たずにスリッパ履きのまま外へ出ると、近所の建物4棟が倒壊していたという。

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パレスチナ自治区ガザ地区にいるBBCのラシュディ・アブアルフ・プロデューサーは、滞在していた家で約45秒間、揺れを感じたと述べた。
レバノンの首都ベイルートに住む学生のモハマド・エル・チャマアさんはBBCに対して、「書き物をしていたらいきなり建物全体が揺れ始めた。何をどう感じたらいいのか、わからなかった」と話した。「窓のすぐ隣にいたので、割れるかもしれないと怖かった。揺れは4~5分続いて、かなりひどかった」とも述べた。
トルコは、世界で最も地震が多い地域のひとつに位置している。
1999年のトルコ北西部を震源とする地震では、死者が1万7000人以上に上った。

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