ウクライナ軍、南部ヘルソン州で複数の村を奪還

画像提供, Ukrainian defence ministry
ウクライナ南部ヘルソン州のロシア軍陣地を突破したウクライナ軍が4日、同州の主要な村を解放し、ロシア軍は再び撤退することになった。
ウクライナ国防省は4日、第35海軍歩兵旅団がヘルソン州ダヴィド・ブリド村にウクライナ国旗を掲げる様子を映した動画をツイッターに投稿。「ダヴィド・ブリドの村に再びウクライナの旗があがった」と宣言した。住民たちはウクライナ兵が村を歩く様子を撮影した。
同地域をめぐっては、ウクライナ軍が複数の村を奪還したと報告されている。
ロシア軍はすでにウクライナ北東部で、撤退を余儀なくされている。南部でも押し戻されている。
ロシア議会上院が4日にウクライナ東部ルハンスク、ドネツク、南部ザポリッジャ、ヘルソンの4州を一方的に併合するための「条約」を批准し、ウラジーミル・プーチン大統領が関連文書への署名を予定する中、4州すべてで戦闘が激化。ロシア軍が撤退する事態となっている。
ロシアによる4州の併合は国際法上正当なものではない。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、併合は法的に無効だと宣言している。
アメリカのジョー・バイデン大統領は4日にゼレンスキー氏と電話会談し、アメリカは決してロシアの併合を認めないと言明した。両首脳はまた、M142高機動ロケット砲システム(HIMARS)を含む6億2500万ドル(約900億円)規模の追加軍事支援について協議した。
ロシアは依然として、ヘルソン州の州都ヘルソンを支配している。ただ、ドニプロ川より北の地域では、その支配力がますます揺らいでいる様子。
ウクライナ軍は過去48時間の間に、ドニプロ川西岸を南下した。ロシア運はヘルソン州北部の一部集落からの後退を余儀なくされている。
ゼレンスキー氏はウクライナ軍が南部で「迅速かつ強力な動き」を見せ、今週だけで「数十の集落」を解放したと述べた。


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ヘルソン州で50の町や村を奪還と
ゼレンスキー氏は4日、毎晩定例のビデオ演説で、リュビミウカ、ヘレシュチェニフカ、ゾロタ・バルカ、ビリャイフカ、ウクラインカ、ヴェリカ・オレクサンドリフカ、マラ・オレクサンドリフカの各村も解放されたと述べた。
ウクライナの内務次官によると、ヘルソン州で50の町や村を奪還し、約3500人の市民が解放された。その時期は明かされなかった。
ウクライナ国防省はその後、ロシア軍が戦意を喪失し、ウクライナの前進を遅らせようと橋を破壊しようとしていると発表した。
ロシアが任命したヘルソン行政当局のキリル・ストレムソフ氏は、「パニックになる必要はない」と住民に伝えた。
ロシアがダヴィド・ブリド村の北東に位置する複数の村も失ったのかどうか、直ちに確認は取れなかった。ロシア軍の報道官も同地域での損失について言及しなかった。
しかし、ロシアの支配地域を示す地図では、同地域の北東にあるアルハンヘルスケ村とヴェリカ・オレクサンドリフカ村、ドニプロ川沿岸のドゥドゥチャニ村がロシア軍の支配下に含まれていないことは明らかだった。
ロシアの軍事ブロガー、リバル氏はウクライナ軍に包囲される危険があったためロシア軍は撤退を決めたとしている。両軍が「接触する新たな前線がどこになるかは全く不透明」だと同氏は述べた。
追放されたヘルソンの副市長は、「多くの集落が壊滅状態となり、破壊されていない建物がほとんど残っていない集落もある」と述べた。また、ヘルソン市の住民はウクライナ軍が前進していることを知り、待機していると付け加えた。開戦前は32万人が暮らしていた同市には、10万人しか残っていないという。
ウクライナ軍は数週間前からヘルソン州のロシア軍の補給路を狙い、川を渡るのに必要なわずかな橋を破壊してきた。しかし、ウクライナ軍の南下はこれまでのところ、遅いペースで続いている。
ヘルソン州は2014年に併合されたクリミア半島から同地域に流入してきたロシア軍によって開戦後すぐに占領された。
ウクライナは北東部ハルキウやドネツクでより劇的な成功を収め、1日には東部の要衝リマンを奪還した。ドネツク州にあるこの町は、ほぼ完全にロシアの占領下にあるルハンスクへの玄関口とみなされている。

リマンを取材するBBCのオーラ・ゲリン記者は、現在は市民はほとんど残っておらず、町の外には軍服姿のロシア兵数人の遺体が横たわっていると報告した。
あるロシア人ブロガーは、リマン近郊で包囲をかろうじて逃れたルハンスクの親ロシア派戦闘員だとする男性2人の証言を掲載。男性の1人は「リマンを離れたのは自分たちだけだった。弾薬も何もない。すべてが焼きつくされた。友人や仲間は皆、そこに(死んで)残った」と話した。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、プーチン氏が先月に予備役の部分的動員令を発令して以降、20万人以上を動員したとしている。当初の目標は30万人だが、招集から逃れようとする人や、入隊時に粗悪な装備品を与えられたとの話が浮上するなど、徴募活動に影を投げかけている。
カザフスタンだけで、過去2週間で20万人以上のロシア人が国境を越えて流入したとの報告があがっている。











