南アフリカ、夫が妻の姓を名乗れるように 憲法裁が禁止を違憲と判断

左側に立つ白いドレスを着た人物の左手薬指に、右側の人物が銀色の結婚指輪をはめているところの、手元だけを映した写真。右側の人物も袖が白い服を着ている。2人の後ろに青空と雲が見える

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画像説明, 南アフリカではこれまで、夫が妻の姓を名乗ることができなかった

南アフリカの憲法裁判所(最高裁判所に当たる)は10日、夫が妻の姓を名乗ること禁じる法律を違憲と判断した。

この判決は、訴訟を起こした2組の夫婦にとっての勝利となった。憲法裁はこの法律について、「植民地時代に持ち込まれたものであり、性別に基づく差別に当たる」と判断した。

南アフリカ放送協会(SABC)の報道によると、ヘンリー・ファン・デル・マーヴェ氏はこの法律によって、妻のジャナ・ジョーダン氏の姓を名乗る権利を認められなかった。また、アンドレアス・ニコラス・ボーンマン氏も、妻ジェス・ドネリー=ボーンマン氏の姓「ドネリー」を、自身の姓にハイフンで加えることができなかった。

今回の判決により、南ア議会は今後、出生・死亡登録法と関連規則を改正する必要がある。

この法律は、白人による少数支配が続いていた時代に導入されたもの。

2組の夫婦は、この法律が時代遅れで家父長的なものであり、1994年のアパルトヘイト(人種隔離)政策終結後に採択されて憲法に明記された平等の権利を侵害していると主張した。

下級裁判所で法律の違憲性を争い、勝訴したが、憲法裁にもその判断の確認を求めていた。

憲法裁は、「多くのアフリカ文化において、女性は結婚後も出生時の姓を保持し、子どもが母親の氏族名を名乗ることも多かった」と指摘。しかし、「ヨーロッパの植民者やキリスト教宣教師の到来、そして西洋的価値観の押し付け」により、この慣習は変化したとした。

そして、「妻が夫の姓を名乗るという慣習は、ローマ・オランダ法に存在しており、この形で南アフリカの慣習法に導入された」とした。

裁判所はさらに、「この慣習は、サハラ以南のアフリカ諸国を植民地化した国々が導入した法律によっても成立した」と指摘。

南アフリカがジェンダー平等の面で「重要な進展」を遂げているとしながらも、「有害な固定観念を助長する法律や慣習」が依然として残っていると付け加えた。

レオン・シュライバー内相およびマモロコ・クバイ司法・憲法進展相は、2組の夫婦による申し立てに反対せず、むしろこの法律が時代遅れだという主張に同意した。

司法団体「フリーステイト法曹協会」も、2組の夫婦を支援するためにこの裁判に加わった。

現地ニュースサイト「ソウェタン」の報道によると、同協会は、男性が妻の姓を名乗る権利を制限することにより、法律が有害な固定観念を助長していると主張。これは、女性に認められている選択肢を男性に認めないことになるとした。