トランプ氏の「宴会場」警備費に連邦予算おりず、米上院が規則違反と判断

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米連邦上院の議事規則担当者は16日、与党・共和党が提出した予算パッケージから、ホワイトハウスに巨大な「ボールルーム(大宴会場)」を建設する計画に割り当てられていた警備費を削除した。
野党・民主党はかねて、この警備費は同予算案に含まれるべきではないと主張していた。そのため、今回の判断は民主党の勝利となった。
ドナルド・トランプ大統領は、4億ドル(約630億円)に達する見込みのボールルーム建設費について、すべて民間からの寄付でまかなわれているとしている。一方で共和党は、予算の一部をシークレットサービス(大統領警護隊)の強化に充てようと模索してきた。
共和党は、大統領の安全を強化するためにこの資金が必要だと主張している。これは、首都ワシントンで4月、トランプ氏が出席したホテルでの行事での発砲事件を受けたもの。この事件の後、政権はボールルーム建設を加速させようとしてきた。
上院で多数派の共和党は、「財政調整プロセス」として知られる複雑な予算規則を利用し、民主党の支持なしにこの予算案を成立させようとしてきた。
この包括予算案は、国土安全保障省傘下にある移民取締当局の予算を含むほか、ホワイトハウスのイースト・ウィング(東棟)改装をめぐる警備費に10億ドル(約1550億円)を充てるとしている。トランプ氏のボールルームも、イースト・ウィング改装計画の一部だ。
こうしたなかで民主党は16日、上院のエリザベス・マクドノー議事規則・先例専門員が、この警備費が議会規則に違反していると判断したと発表した。
議事規則・先例専門員は、議事手続きなどにおける議長への助言役で、上下両院に1人ずつ置かれている。マクドノー氏は2012年からこの職にある。
マクドノー氏は、この条項が、上院司法委員会の管轄を超える活動に予算を与えるものだと指摘。また、「バード・ルール」として知られる、予算調整と無関係な条項が予算法案に含まれることを禁止する決まりにも抵触すると判断した。
民主党のチャック・シューマー上院院内総務は16日、「共和党は、トランプ氏の10億ドル規模のボールルームの費用を、納税者に負担させようとした。上院民主党はこれに反撃し、その最初の動きを打ち砕いた」とソーシャルメディアに投稿した。
「そして今、ボールルームの共和党は、再挑戦に向けて計画を練り直すとしている。そして上院民主党は、再びそれを阻止する準備ができている」とも、シューマー氏は述べた。
「アメリカ国民はボールルームを望んでいない。必要としてもいない。そして断じて、その費用を負担させられるべきではない」
上院予算委員会の民主党トップ、ジェフ・マークリー議員(オレゴン州)は、共和党が「トランプ氏の意向に応じるため」に法案を修正するとみていると述べ、法案のどのような変更にも民主党は異議を申し立てる用意があるとした。
一方、共和党のジョン・スーン上院院内総務のライアン・ラッセ報道官はソーシャルメディアに、「書き直し、精査し、再提出する。これはどれも、バードの手続きでは異常なことではない」と投稿した。

トランプ氏は「世界のどこにもない最高のボールルーム」の計画を進めており、昨年10月には由緒あるホワイトハウスのイースト・ウィングが取り壊された。
歴史的資産の保全団体「全米歴史保存信託(ナショナル・トラスト・フォー・ヒストリック・プリザヴェーション)」は、議会の承認のない取り壊しや改装は違法だとして、今後の工事を阻止するため、トランプ政権を提訴した。控訴裁判所は今年4月、地下部分および地上部分の建設の継続を認める判断を下した。
かつて不動産業や建設業に携わっていたトランプ氏は、ワシントンを刷新する計画の一つとして、ボールルームの建設を進めている。
大統領はすでにホワイトハウスでは、大統領執務室に金色の装飾を加え、公邸のローズガーデンを舗装し、フロリダ州にある自身の私邸兼リゾート「マール・ア・ラーゴ」を想起させる中庭を設置した。
また、総合文化施設「ジョン・F・ケネディ舞台芸術センター」やアメリカ平和研究所といった施設に自分の名前を付け加えたほか、アーリントン国立墓地の近くに高さ約76メートルの凱旋門を建設する計画も発表した。








