トランプ氏、イランとの停戦は「生命維持措置」に頼っている状態と

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は11日、イランとの間で約1カ月間続いている停戦について、「大規模な生命維持装置」に頼っている状態だと述べた。
トランプ氏はこの日、大統領執務室で記者団とのやりとりに応じた。その中で、停戦は維持されているものの、「信じられないほどもろい」と述べた。
また、「停戦は大規模な生命維持装置をつけた状態と言える。(中略)医者がやって来て『ご家族の生存率は約1%です』と告げるようなものだ」と発言。
イランの指導者らを「非常に不誠実な人々」と呼び、「私は彼らと4、5回関わってきた。彼らは考えを変える」とした。
そして、イランが前日にアメリカ側に送った和平案について、「向こうが送ってきたあのごみのような文書を、私は最後まで読むことさえしなかった」と述べた。
トランプ氏はさらに、イランについて、アメリカによる濃縮ウランの国外搬出を認めるとした合意を反故にしたと非難。「(イランが)核兵器を持つことは決してない」と主張した。
イランは10日に、和平に向けた自国案をアメリカに送り、戦闘終結とホルムズ海峡の再開などを要求した。トランプ氏は同日、この案を批判し、「イランのいわゆる『代表者ら』の回答を読んだ。気に入らない。全く受け入れられない」とトゥルース・ソーシャルに投稿した(太字は原文では全て大文字)。
イランの政府系タスニム通信によると、同国の案には、全戦線での即時戦闘終結、イランの港湾に出入りする船舶に対するアメリカの海上封鎖の停止、イランを攻撃しないことの保証が含まれている。全戦線での戦闘終結は、レバノンでイランが支援する武装組織ヒズボラをイスラエルが継続的に攻撃していることもふまえたものだ。
イラン案にはまた、戦争被害に対する賠償の要求や、ホルムズ海峡でのイランの主権の確認も含まれているとされる。
タスニム通信はさらに、交渉チームに近い人物の話として、「イランの提案には、濃縮核物質の搬出を認めるといった内容は一切含まれていない」と報じた。
「反撃し教訓与える」とイラン議長
トランプ氏の発言を受け、イランのモハンマド・ガリバフ国会議長は、イラン軍は「いかなる侵略に対しても反撃し、教訓を与える準備ができている」とソーシャルメディア「X」に投稿した。
議長はさらに、Xへの別の投稿で、「(アメリカが示した)14項目の提案に明記されたイラン国民の権利を受け入れる以外に選択肢はない」と主張。「(アメリカが)対応を先延ばしにすればするほど、アメリカの納税者の負担は大きくなる」とした。
トランプ氏の10日のコメントに対しては、イラン外務省のイスマイル・バガイ報道官が、同国案は「責任ある」もので「寛大な」内容だと反論した。
バガイ報道官は、「(イランは)自分たちの利益を守るために必要なあらゆる方法で」対応するとした。
揺らぐ停戦
トランプ氏はこれまで、イランでの戦争は「すぐに終わる」と繰り返している。
これに対しイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、10日に放送された米CBSの番組「60ミニッツ」で、イランには「解体されなくてはならない(ウラン)濃縮施設がまだある」と発言。戦争の終結は、イランの濃縮ウラン備蓄の「排除」が前提だと述べた。
戦争終結に向けた動きをめぐっては、アメリカが14項目からなる1ページの覚書をイランに送ったと、米ニュースサイト「アクシオス」が6日に報じている。イランの核濃縮活動の停止、イランに対する制裁の解除、ホルムズ海峡の自由な航行の回復――などが項目として含まれているという。
アクシオスはこれを、この件で説明を受けた米政府高官2人と別の情報源2人(全員匿名)の話をもとに報じた。これら情報源は、覚書に盛り込まれた項目の多くについて、最終合意の成立が条件だと述べたとされる。
イランはホルムズ海峡の封鎖を継続しており、原油価格の世界的な高騰を招いている。この海峡は通常時、世界の石油および液化天然ガスの約2割が通過する。
一方、アメリカも、イランの港湾に出入りする船舶に対する海上封鎖を実施している。アメリカが示した条件を受け入れるよう、イランに圧力をかけるのが目的とみられる。イランはこれに激しく反発している。
イスラエルとアメリカは2月28日、イランに対して大規模な空爆を実施し、今回の戦争が始まった。停戦は4月に発効した。











