イギリス外務省の元「ネズミ捕り長官」、猫の「パーマストン」がバミューダで死ぬ

白黒の猫「パーマストン」が緑色のテーブルの上に立ち、周囲を見回している。そ後ろで、水色のワイシャツにネクタイ姿の男性が椅子に座り、笑顔で見守っている。パーマストンは口元と首や胸、手足の先とひげが白く、眼は金色、鼻はピンク。青い輪に銀色の名札がさがった首輪をしている

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画像説明, 2016年に英外務省の「ネズミ捕り長官」に就任し、サイモン・マクドナルド外務次官のオフィスを探索していた猫の「パーマストン」
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かつてイギリス外務省の「ネズミ捕り長官」だった猫の「パーマストン」が12日、北大西洋の英領バミューダで死んだ。ソーシャルメディア「X」にあるパーマストンの公式アカウントが発表した。

ロンドン南部バタシーの動物保護施設に保護されていたパーマストンは、2016年4月に外務省の「ネズミ捕り長官」に就任。4年間の勤務を経て、2020年8月に「引退」した

2025年2月になると公式アカウントは、引退から呼び戻されたパーマストンが「バミューダ新総督の猫関係コンサルタント(半分引退)」に任命されたと発表した。

そして今月14日、「diplocat extraordinaire(特別な外交官猫)」が「2月12日に安らかに息を引き取った」と明らかにした。

首相官邸を背景に、赤い首輪をしたパーマストンが歩き、それを地面すれすれでカメラを構えたカメラマンが撮影している様子を、パーマストンが見ている

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画像説明, パーマストンは、ロンドンのダウニング街をよく散歩していた。イギリス外務省の裏口は、首相官邸のあるダウニング街に面している。写真の灰色の建物が首相官邸

公式アカウントは、「『パルミー』は、バミューダの総督官邸チームの特別な一員で、家族に深く愛されていた。穏やかな性格の素晴らしい仲間で、彼がいなくなってとても寂しくなる」としのんだ。

「パーマストン」の名前は、19世紀半ばに外相や首相を歴任したパーマストン子爵にちなんだもの。

2016年に外務省の長官職に「就任」した後、新型コロナウイルスのパンデミック中にロンドン中心部の外務省本部から退去し、2020年8月に正式に「引退」した。

引退発表の際には、外務省の官僚トップだったサイモン・マクドナルド外務次官にあてた手紙でパーマストンは、自分がすでにロンドンの官庁街ホワイトホールを離れて、今では田舎で木登りや野原のパトロールに精を出していると明らかにした。

書簡ではさらに、かつては外務省でネズミを捕るほか、「寝るふりをしながら外国高官の会話を盗み聞き」していた自分が引退してしまうのは、「この国の情報収集に大きな損失となる」だろうが、自分も年をとったので、外交の公務から引退して自分のための時間を楽しもうと思うと表明していた。

パーマストンは「引退生活」を、外交官アンドリュー・マードック氏の下で送っていた。そのマードック氏が2024年9月にバミューダ総督に任命されたのを機に、パーマストンも同地に同行した。

パーマストンのアカウントは2025年2月、「外交交渉によって、そしてにゃんぺきな役割」を与えられたことで、「引退から公務へと誘い出され」たと説明し、バーミューダに「着任」したと発表。これを受け、9万9000人のフォロワーの多くが復帰を祝った。

動画説明, 外務省の猫と官邸の猫、ダウニング街で縄張り争い?(2017年6月)

パーマストンが死んだことが発表されると、首相官邸で「ネズミ捕り長官」を務める猫「ラリー」の公式アカウントが真っ先に、「古くからの友達、さようなら」と追悼。キスを意味する「X」の文字も添えた。ラリーは今週末に就任15年を迎える。この15年間の首相官邸の主は、計6人になる。

パーマストンとラリーはダウニング街で縄張りを争っていたとのうわさもあり、BBCの政治記者が官邸前で実況中継する際にその様子が撮影されたこともある。