米軍、東太平洋とカリブ海で「麻薬船」を攻撃 計11人死亡

白黒の画像に船の輪郭が見える。画像の上方には緑色の文字で「unclassified (機密解除)」と書かれている

画像提供, 米南方軍司令部

画像説明, アメリカ南方軍が公開した作戦映像に映る船
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アメリカ軍は16日夜、東太平洋およびカリブ海で「麻薬密輸船」だとする計3隻の船を攻撃し、合わせて11人が死亡した。米軍が17日に発表した。

死亡した11人はいずれも「男性の麻薬テロリスト」だと、米当局は説明している。このうち、東太平洋で最初に攻撃した船舶に4人、2番目の船舶に4人、カリブ海で攻撃した船舶に3人が乗っていたという。

ドナルド・トランプ政権は昨年9月以降、麻薬密輸船だとする船舶に対して、カリブ海と太平洋で40回以上の攻撃を繰り返している。一連の攻撃による死者は130人を超えている。

米南方軍司令部は、「これらの船舶が既知の麻薬密輸ルートを航行し、麻薬密輸密輸活動に従事していたことが確認された」と、ソーシャルメディアに投稿した。

16日夜に実施された今回の作戦では、米軍側に負傷者は出ていない。

米軍は昨年9月以降、「麻薬密輸船」を標的とした攻撃を繰り返してきた。

しかし、米軍がヴェネズエラの首都カラカス周辺で軍事作戦を行い、同国のニコラス・マドゥロ大統領とその妻を拘束した先月3日以降、「麻薬密輸船」への攻撃の頻度は著しく減少している。トランプ政権はかねてから、マドゥロ氏が麻薬密輸組織と連携していると非難している。

ピート・ヘグセス米国防長官は作戦全体の目的について、「麻薬テロリストを我々の半球(西半球)」から排除し、「米国民を死に至らしめている麻薬」からアメリカを守ることだと述べている。

アメリカはこれまでのところ、米軍が攻撃した船舶が麻薬を運搬していたことを示す証拠を提示していない。

一部の法律の専門家たちも、適正手続きなしに民間人を標的にする攻撃は、国際法違反の可能性があると指摘している。

一方でトランプ政権は、死者を伴う船舶攻撃の合法性を主張している。ホワイトハウスは議会宛ての声明で、トランプ大統領は、アメリカが麻薬カルテルとの正式な武力紛争状態にあり、「麻薬密輸船」の乗組員は「戦闘員」だと「判断」したと説明している。

今月7日には、カリブ海で任務にあたっていた米海兵隊員1人が、米軍艦イオージマから転落して死亡した。「麻薬密輸船」を標的とした作戦で、米軍側に死者が出たのは初めて。

米軍の「麻薬船」攻撃による死者の遺族の中には、米政府を相手取り、訴訟を起こしている人もいる。

先月27日に訴えを起こした、トリニダード・トバゴ国籍の男性2人の遺族は、船舶攻撃は「無法な冷血殺人、娯楽のための殺人、見せ物としての殺人」に等しいと主張している。男性2人は昨年10月14日、ヴェネズエラ沖での米軍による攻撃で死亡した。