ブレグジット合意は英経済に長期の損害……英財務相がIMFで発言

ダークスーツに赤いシャツを着た女性の写真。前髪を切りそろえている

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画像説明, イギリスのレイチェル・リーヴス財務相

ファイサル・イスラム経済編集長

イギリスのレイチェル・リーヴス財務相はこのほど、国際通貨基金(IMF)の年次総会に出席し、2020年に締結したイギリスの欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)合意が、同国経済に長期的な損害をもたらしていると発言した。

週末に公表された発言の中でリーヴス財務相は、主要国の財務相や中央銀行総裁らに対し、「イギリスの生産性の課題は、イギリスがEUを離脱した方法によって悪化している」と述べた。

リーヴス氏は、英予算責任局(OBR)が算出した「EUに残留していた場合と比べて、長期的に4%の打撃を受ける」との試算を引用し、政府は「これを認識している」とした上で、より強固な貿易関係を模索していると語った。

労働党政権はこれまで、ブレグジットによる経済的な悪影響に関する主張を強調することに慎重だった。

しかし、先月の党大会以降、閣僚らはこうした主張をますます強い調子で行うようになっている。

この主張が、主要7カ国(G7)、中国、インド、EUおよび欧州中央銀行(ECB)を含む、世界最高レベルの経済政策協議機関において公然と発せられたことは、その場では驚くべきことではなかったとみられる。一方で、国内にとっては、注目すべき重点の変化が認められた。

ブレグジットと経済、そして来年度予算案

リーヴス財務相は、11月26日に秋季予算案を発表する。その中で、ブレグジットと経済の問題は、政府の主張の中核になるとみられている。予算案では増税が見込まれているが、新たな施策の必要性の大部分が、イギリスの長期的な生産性の下方修正に起因するとされている。

OBRは、予算案発表に合わせて経済見通しを発表するが、どんな下方修正が生じたのか、その詳細な説明を求められる見込みだ。

その中で、ブレグジットが要因として取り上げられるとみられている。外部の経済学者らは、ブレグジットが決まった2016年の国民投票後、不確実性の中で投資が減少したことや、物品貿易の不振を指摘している。一方で、サービス貿易の堅調さや、世界各国との貿易協定を締結する新たな自由を指摘する声もある。

この問題は現在、政府がブレグジットの「リセット」に向けた交渉方針を策定している中で、特に敏感なものとなっている。この「リセット」には、ブレグジット後に導入された食品・農産物貿易における検査撤廃や、イギリスの製造業者が、欧州の急増する防衛予算をめぐるコンソーシアムに参加できるよう支援することなどが含まれている。

欧州の政府高官らは、世界各地で進行中の貿易戦争の影響を緩和するため、これらの交渉で最大限の野心を持つようイギリスに求めた。

リーヴス財務相は、昨年11月の現政権初の予算案で、年間400億ポンド規模の増税を発表した。これには、雇用主が支払う給与税の引き上げが含まれていた。リーヴス氏はこの時、今後、同様の措置を繰り返す必要はないと強調していた。

しかしリーヴス氏は現在、財政再建に再び取り組まざるを得ない可能性に直面している。

一方、最大野党・保守党は党大会で、この問題に明確な対立軸を打ち出している。次回の総選挙で勝利した場合には、福祉、官僚機構、対外援助の削減を通じて、年間470億ポンド(約8兆7000億円)の歳出削減を実施すると約束している。