アメリカとロシア、軍の定期対話の再開で合意

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ジェイムズ・ランデイル外交担当編集委員
アメリカとロシアは5日、両国軍の間でハイレベル対話を再開することで合意した。
米ロの軍高官らはこの日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで、ウクライナでの戦争に関して協議。終了後、対話再開が発表された。
アメリカの欧州軍は声明で、新たな対話は「恒久的な和平に向けて当事国が努力する中で、軍対軍の安定した接触を提供する」とした。
対話の再開は、2大核保有国間の重要な関係改善となる。アメリカのドナルド・トランプ大統領はこれまで繰り返し、両国の関係正常化を望んでいると発言している。
米ロ間では5日、戦略核弾頭の配備数を制限する新戦略兵器削減条約(新START)が失効した。一部報道では、両国が延長を協議しているとされる。
米ロは数十年にわたる危機と対立の中でも、多くの時期で軍同士の意思疎通のチャンネルを維持してきた。
誤解や事態の深刻化を避けるのが目的だった。
しかし、そうした接触は、ロシアがウクライナを全面侵攻する少し前の2021年に中断された。
以来、ロシアのドローンや戦闘機が北大西洋条約機構(NATO)の領空に侵入したり、アメリカの無人機がシリアや黒海の上空を飛行したりする、一触即発の状況が生じている。
新STARTの失効で
今回の新たな合意は、米欧州軍と欧州連合軍トップのアレクサス・グリンケウィッチ司令官と、ロシア、ウクライナ両軍の高官らとの会談で成立した。
米欧州軍は、「軍同士の対話の維持は世界の安定と平和にとって重要な要素だ。それは強さによってのみ達成でき、透明性と緊張緩和を向上させる手段を提供する」と主張。
対話の目的について、「判断ミスを避け、どちらかによる意図しない深刻化を避ける手段を提供すること」だとした。
アメリカ、NATO、ロシアの間では近年、軍高官らの間でいくらかの接触はあった。今回の発表によって、司令官レベルの定期的な対話が再び確立されることが明らかになった。
ロシアは5日、アメリカとの間で新STARTが失効したのは遺憾だとし、なお話し合う用意はあると表明した。
クレムリン(ロシア大統領府)はこれまで、同条約の延長を提示していた。ドミトリー・ペスコフ報道官は、アメリカが前向きに対応するなら、ロシアは対話に応じると述べた。
一方、トランプ氏は同日、ソーシャルメディアへの投稿で、「『新START』(アメリカのひどい交渉の末の取り決めで、何より、著しく違反されている)を延長するより、将来にわたって長く存続できるような、新しく、改良され、近代化された条約に、私たちの核専門家らに取り組んでもらうべきだ」とした。
米ニュースサイト・アクシオスは、アブダビでの協議は過去24時間にわたって行われ、米ロは新STARTの主要条項を守り続けることで合意に近づいていると報じた。
2010年に成立した新STARTでは、米ロ双方は配備する戦略核弾頭を1550発以下に、戦略核を運ぶ爆撃機やミサイルを700基以下に、それぞれ制限することで合意した。
同条約の失効によって、両国はこの半世紀で初めて、核開発の野心を抑制する法的枠組みを失うことになった。








