トランプ氏、有罪評決めぐり控訴 元不倫相手への「口止め料」虚偽記載事件

刑事裁判に出廷したトランプ氏。弁護人席で弁護団と警察官に囲まれている

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画像説明, トランプ氏は米ニューヨーク州で、業務記録偽造の重罪34件について有罪評決を受けた。写真は2024年の裁判時のもの

アメリカのドナルド・トランプ大統領は27日、元不倫相手への「口止め料」支払いに関する有罪評決を覆すために控訴した。大統領の免責特権によって刑事訴追から保護されていると主張している。

ニューヨーク州地裁の陪審団は2024年5月、この支払いのために業務記録に虚偽記載をしたとして、重罪34件の罪状すべてについて、全員一致で有罪評決を下した。同地裁は今年1月、トランプ氏がホワイトハウスに復帰する見通しであることを理由に、禁錮や罰金などの刑罰を科さない「無条件の放免」という異例の量刑を言い渡した

トランプ氏の弁護団は控訴に向けた提出書類の中で、「この事件は法廷に持ち込まれるべきではなく、有罪評決が下されるなどもってのほかだ」と述べている。また、この事件を「わが国の歴史上、最も政治的な起訴だ」と表現した。

トランプ氏を起訴したマンハッタン地区検察は、コメント取材に直ちには応じなかった。

検察側は、トランプ氏が2016年大統領選の前に、自身の顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏に元成人向け映画スターのストーミー・ダニエルズ氏に口止め料として13万ドルを支払うよう指示したと主張。これは、トランプ氏との性的関係に関する疑惑について沈黙させるためだったとした。

この口止め料の支払い自体は違法ではないが、検察側は、トランプ氏がコーエン氏に立て替え分を返金した際、それを弁護士費用として虚偽の記録を行い、実態を隠蔽(いんぺい)したと述べている。

2024年春の裁判は、トランプ氏の再選に向けた選挙運動と並行して進められた。

検察側は裁判中、支払いの偽装はダニエルズ氏の主張を有権者から隠すもので、選挙妨害の一形態に該当すると主張した。一方、トランプ氏は起訴内容および一切の不正行為を否定した。

ニューヨーク州地裁の陪審団は2024年5月、重罪34件の罪状すべてについて、全員一致で有罪評決を下した。これによりトランプ氏は、重罪で有罪となった初の現職大統領および大統領経験者となった。

有罪評決から約1カ月後、米連邦最高裁は、トランプ氏にまつわる別の事件をめぐり、「大統領の公務は原則として刑事免責される」と判断。トランプ氏側は、この判断が口止め料の事件にも適用されると主張した。さらに、裁判で使用された一部の証拠について、1期目の任期中のものであるため、除外されるべきだったと述べた。

トランプ氏の弁護団は今回、この事件を担当したマンハッタン地区のアルヴィン・ブラッグ検事が、「トランプ大統領が共和党の有力候補であった激しい大統領選の最中に、これらの起訴を行った」と主張。また、「トランプ大統領に対するこれらの起訴は、その政治的背景と同様に前例のないものだった」としている。そのうえで、トランプ氏の行為はニューヨーク州法に違反していないとして、公訴の棄却を求めている。

この事件は、ニューヨーク州控訴裁判所第1部に持ち込まれる予定だ。

判事らはこの時、トランプ氏に詐欺の責任があるとした1審の判断を支持したものの、約5億ドルもの罰金は過剰で、過酷な処罰を禁じる憲法の保護に違反する可能性があるとの考えを示した