ミャンマー中部地震、死者1600人超に ミャンマーと隣国タイで多数の死傷者

ミャンマー第2の都市マンダレーで倒壊したピンク色の建物

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画像説明, ミャンマー第2の都市マンダレーで倒壊した建物

ミャンマー中部で28日午後に発生した強い地震で、同国でこれまでに1644人が死亡した。3408人が負傷し、139人が行方不明になっている。ミャンマー国軍が29日に発表した。

米地質調査所(USGS)によると、マグニチュード7.7。震源地はミャンマー・ザガイン市の北西16キロメートルで、震源の深さは10キロメートル。その地震の12分後にも、2回目の地震が発生した。震源地はザガインの南18キロ、マグニチュード6.4だった。

強い揺れは、中国南西部やタイでも感じられた。

震源地から1000キロ以上離れたタイの首都バンコクでは、建設中の高層ビルが倒壊する被害が出た。副首相によると、この倒壊で約100人の建設作業員が行方不明になっているという。

バンコク首都圏庁(BMA)によると、このビル倒壊で少なくとも7人が死亡した。

BMAによると、バンコク市内では29日午後6時30分時点で計10人の死亡が確認されている。負傷者は42人、78人が行方不明だという。

震源地に近いミャンマー第2の都市マンダレー(人口約150万人)の救助隊員は、被害は「甚大」だとBBCに話した。

この地震による死傷者の数は、今後数日で増加すると予想されている。

ミャンマーの首都ネピドーでは、道路の陥没が報告されている。軍事政権は、六つの州・地方に非常事態宣言を出した。

かつては「ビルマ」として知られていたミャンマーは、1948年にイギリスから独立したが、近年は混乱や紛争に見舞われてきた。

民政移管(2011年)から10年後の2021年2月、国軍はクーデターを決行して権力を掌握した。以来、軍事政権は反対意見を厳しく取り締まり、民主活動家を処刑し、ジャーナリストを投獄してきた。

ラジオやテレビ、印刷物、オンラインメディアはほぼすべて、軍事政権が統制している。インターネットの使用も制限されており、情報を得るのが難しい場合が多い。

BBCの最近のデータプロジェクトによると、ミャンマーは現在、さまざまな勢力によって支配されている。これが救援・復興活動をより困難なものにしている。

反体制派の支配地域で何が起きているのか、正確な情報を得るのも難しくなっている。

今回の地震発生を受け、軍事政権は国際的支援を求める、異例の呼びかけを行った。

ミャンマー地震の震源地の位置

しかし、現地状況は複雑で、捜索・救助活動だけでなく援助物資の自由な流入にも支障をきたす可能性が高い。

マンダレー近郊の複数の村で活動する救助隊員たちは、重機がなく、がれきの下に閉じ込められた人々にたどり着けないとBBCに話した。「私たちは(閉じ込められた)人たちを素手で掘り出している」と、男性は述べた。

この地震は、すでに悲惨な状況にあるミャンマーの人道状況に追い打ちをかけている。同国での内戦では350万人が家を追われている。

震源地に近いザガインは、内戦の主要戦場となっている。

ミャンマー国内で活動する慈善団体や反体制派は、今後数日間の援助活動が「政治的に利用される」ことへの懸念を示している。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの東アジア・東南アジア・太平洋地域担当副部長モンセ・フェレール氏は、軍事政権が抵抗勢力の活動地域への援助を「拒否してきた歴史がある」とBBCに語った。

動画説明, バンコクの路上で出産 ミャンマー地震でタイでも大きな揺れ

タイ・バンコクの高層ビル倒壊現場では、がれきの下に閉じ込められた建設作業員の救出活動が夜通し続けられた。

バンコク市内では、救急病院など複数の建物から人々が避難した。こうした混乱の中、病院から屋外へ避難した女性がストレッチャーの上で赤ちゃんを出産。路上で病院スタッフが女性を取り囲み、赤ちゃんを取り上げた。

バンコクに住むBBCのブイ・トゥー記者は、自宅で料理をしていた時に最初の地震があったと、BBCワールドサービス番組「ニュースデイ」で説明。「とても不安になり、パニックになった」と話した。

また、「バンコクの建物は地震を想定して設計されていない。そのため、大きな被害が出ると思う」と述べた。

タイのペートンタン・シナワット首相は28日午後、ビルの倒壊現場を訪れた。

ドローン(無人機)や探知犬、掘削機を使う捜索救助チームが動員されたほか、救助活動支援のための災害センターが設置された。

(追加取材:BBCビルマ語)