マラピ山噴火、さらに2遺体発見し死者13人 なお10人不明

ジェローム・ウィラワン(ジャカルタ)、ジョエル・グイント、ケリー・アン(シンガポール)

マラピ山で登山者を救助する当局者たち(4日)

画像提供, EPA

画像説明, マラピ山で登山者を救助する当局者たち(4日)

インドネシア・スマトラ島のマラピ山の噴火で、救助当局は5日、さらに2人の遺体を発見し、死者は13人になった。

まだ10人の登山者らが行方不明となっており、捜索が数百人態勢で続けらている。

噴火が続いているため、4日の捜索は安全面での懸念から中断された。

マラピ山の大きな噴火は3日に発生。火山灰が上空3キロメートルまで噴き上げられた。空は薄暗くなり、周辺の村は火山灰で覆われた。

噴火時にマラピ山にいた登山者75人のうち、4日に49人が避難した。多くはやけどを負っていた。同じ日、3人が火口付近で救助された。

当局が噴火の継続について警告するなか、5日朝にはさらに約200人が捜索に投入された。

マラピ山の監視所の職員アフマド・リファンディさんは、現地時間5日午前0時から同8時(日本時間午前2時から同10時)までに5回の噴火を観測したとAFP通信に説明。

「マラピはまだ非常に活発だ。火柱の高さは、雲に覆われているため分からない」と話した。

「火の山」を意味するマラピ山は、インドネシアに127ある火山の中で最も活発な一つ。1979年の噴火では、同山最多の60人が死亡した。

それにもかかわらず、登山者には人気が高い。今年1月から2月にかけては火山灰が噴出し、一部の登山道は6月に再開されたばかりだった。

当局は登山者らの身元を明らかにしていない。

ザフィラ・ザーリム・フェブリナさん
画像説明, ザフィラ・ザーリム・フェブリナさん

登山者の1人で学生のザフィラ・ザーリム・フェブリナさん(19)は、マラピ山からビデオメッセージで母親に助けを求めた。ショック状態で、顔はやけどを負い、髪には灰色の灰がべったりついていた。

「お母さん、イフェ(彼女のニックネーム)を助けて。これがイフェの今の状況です」と、ビデオメッセージの中で彼女は話している。

マラピ山には学校の友人18人と登山に来ていたという。彼女は現在、病院で治療中だという。

母親のラニ・ラデラニさんはAFP通信に、娘は「ものすごいトラウマ」を負っていると話した。

「彼女は心理的に影響を受けている。やけどを負って、一晩中痛みに耐えなければならなかった」

マラピ山があるスマトラ島は、インドネシアに1万8000ある島々の中で最も西にあり、3番目に大きい。マラピ山の標高は2891メートル。

インドネシア群島は、いわゆる環太平洋火山帯に位置する。この場所では大陸プレートがぶつかり、高度の火山・地震活動が引き起こされている。

追加取材:ハンナ・サモシル(ジャカルタ)

インドネシア・スマトラ島のマラピ山の地図
画像説明, マラピ山はインドネシア・スマトラ島にある

危険な登山――フランク・ガードナー

私は10代の学生だった1980年代に、人けのないマラピ山を登った。大学の友人と私は愚かにも、麓の村のガイドの申し出を断り、ジャングルの中の細い道を上がっていった。

すぐにヒルが靴下から足へとはい上がってきた。標高2500メートル付近まで来ると、少し前の噴火で黒くねじれた木々が広がっていた。火口周辺では硫黄ガスの雲が渦を巻いていた。数メートル先の岩には亀裂が入り、下の方に溶け出た岩が見えた。

このとき初めて、この火山がどれほど危険なのかを私たちは理解した。だが、辺りはすでに暗く、凍てつく雨が降っていた。ジャングルの中を下りていく道がわからず、何時間も草むらの中を歩き回った。ガイドを連れてこなかったことを、私たちは激しく後悔した。