インドネシア・スメル山噴火、14人死亡 火山灰に埋もれた村で捜索続く

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インドネシア・ジャワ島のスメル山が4日、噴火した。救助隊は火山灰に埋もれた村で生存者の捜索を続けている。
当局によると、これまでに14人の死亡と数十人の負傷が確認されている。
火山に近いルマジャン地区のあるボランティアは、警察や軍関係者が素手で遺体を掘り出す様子を撮影した。
スメル山から噴出した火山灰で家屋は屋根まで覆われ、車は完全に埋もれた。

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「ものすごく悲惨」
救助隊らが懸命に遺体を掘り出そうとする様子を撮影したタウフィク・イスマイル・マルズキさんは、救助活動の状況について「ものすごく悲惨」だとロイター通信に述べた。
東ジャワ州ルマジャンでは、少なくとも11の村が火山灰に覆われた。また、多くの人が高温の泥流を洪水と勘違いしてやけどを負った。少なくとも56人が負傷した。
カンポン・レンテン村に住むサリムさんは、「10人が泥流で流された」と語った。
「そのうちの1人はもう少しで助かるところだった。その男性は逃げるよう指示されたものの、『逃げるわけにはいかない。誰がうちの牛を世話するんだ』と言っていた」
生存者を探している男性によると、男性の村では10人が行方不明になっているという。
別の人は、噴火時の様子をAFP通信に話し、「地元の人たちは、いつもの洪水だと思っていた。私たちはあれが高温の泥だとは知らなかった。突然、雨が降ってきて空が暗くなり、熱い煙が上がった。幸い雨のおかげで息ができた」と述べた。
ルマジャンでは遺体の身元確認が完了していないため、家族の遺体をまだ引き取れない人もいる。

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インドネシア国家防災庁(BNPB)の報道官は、負傷者は様々な病院や医療施設で治療を受けていると説明した。
BNPBによると、これまでに約1300人が火山の影響を受けた地域から避難した。また、建物に閉じ込められていた砂の掘削作業員10人が救出された。救助用シェルターには食料やフェイスマスク、防水シート、遺体の収容袋などが用意されている。
現場ではむせかえるような煙が立ち込め、停電が発生。噴火中の暴風雨により火山噴出物が泥状になり、避難活動の妨げとなっている。同地域と近隣の街マランを結ぶ重要な橋は噴火の影響で遮断された。

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大雨が噴火の原因か
インドネシア地質庁のトップは、スメル山の火口の縁に大量の雨が降り注いだことで火口の一部が崩壊し、噴火が起きたと説明した。マグマの流れの変化を示すような地震活動の増加はなかったという。
オーストラリア・ダーウィンの航空路火山灰情報センター(VAAC)によると、今回の噴火による灰の雲は消滅したようだ。
スメル山ではほぼ恒常的に噴火活動が起きており、噴煙の高さは火口から4300メートル近くに達する。VAACの気象学者キャンベル・ビッグス氏はBBCに対し、今回の噴火では「かなり大幅に激しさが増した」と述べた。
海抜3676メートルのスメル山は、インドネシアにある約130の活火山のひとつ。前回噴火したのは2020年12月で、住民数千人が避難を余儀なくされた。
インドネシアは、「火の輪」と呼ばれる、火山や地震活動が頻繁に発生する環太平洋火山帯に位置する。
緊急事態当局や地元メディアが公開した動画では、巨大な灰の雲が背後に立ち上る中、逃げ出す住民の姿が確認できる。









