タリバンがIS指導者を殺害 カブール空港自爆事件の首謀者か

画像提供, EPA
アフガニスタン・カブールの空港で2021年8月に起きた爆破事件をめぐり、立案者とされる武装組織「イスラム国」(IS)指導者をイスラム主義勢力タリバンが殺害したと、米当局が25日、明らかにした。
爆破事件では民間人170人と米兵13人が死亡した。当時、タリバンが再び支配するようになったアフガニスタンから、多くの人が脱出を目指していた。
BBCが提携する米CBSによると、IS指導者は数週間前に死亡していたが確認に時間がかかったと、米当局者らは話した。指導者の氏名は公表されていない。
当局者らはまた、収集した情報と現地の状況から、IS指導者の死亡を判断したと説明した。この指導者が爆破事件の関係者だと知った経緯については、詳細を明かさなかった。
政府高官の1人はCBSに、「政府の専門家らは、この人物が主要関係者だったという情報を高度に信頼している」と語った。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、米当局は今月上旬にIS指導者の死亡を知った。タリバンに狙われたのか、ISとタリバンとの戦闘で殺されたのかは不明だという。
当局は24日から、死亡した米兵の遺族に対し、IS指導者の死亡を報告している。
死亡した海兵隊員テイラー・フーバー氏の父ダリン・フーバー氏は25日、海兵隊から報告を受けたとCBSに話した。「作戦の詳細は教えてくれなかったが、情報源は非常に信頼でき、この人物が確かに殺されたとの情報はいくつかの情報源から得たと言っていた」。
<関連記事>

西側の警告後に事件発生
爆破事件は2021年8月26日午後6時ごろ、カブール国際空港の「アビー・ゲート」で発生した。
付近には当時、米軍の撤退に合わせて運航される退避便に乗ろうと、多くの家族らが集まっていた。その群衆の中に、自爆装置をもった人物が歩いて行ったとされる。
この数時間前には、西側政府が自国民に対し、同空港に近づかないよう警告していた。ISのアフガニスタン支部に当たる「IS-K」による攻撃が迫っている恐れがあるとしていた。
アメリカはその後、この事件の関係者の逮捕や有罪判決につながる情報や、IS-K指導者サナウラ・ガファリ容疑者の拘束につながる情報の提供者に、1000万ドル(約13億円)を支払うとした。
米軍撤退の余波
2021年8月の米軍のアフガニスタン撤退は、米史上最長の戦争に終わりをもたらした。
これにより、米政府が20年間にわたって支援してきたアフガニスタンの政府と軍が崩壊。タリバンが再び権力を握ることになった。
アメリカのジョー・バイデン政権は軍撤退後の混乱をめぐり、米国内外から批判を浴びた。多くの人が、アメリカはアフガニスタン人と自国の兵器を見捨てたと怒った。爆破事件で負傷した米海兵隊員は、撤退は「大惨事」だと、野党・共和党主導の公聴会で述べた。
今回、IS幹部が死亡したとされることを受け、マイケル・マコール下院議員(共和党)は声明を発表。テロリストが減ったのは歓迎すべきニュースだとした一方、死亡した米兵の遺族に完全な正義をもたらすものではないと主張した。
そのうえで、「アビー・ゲートでの攻撃につながった失敗に対するバイデン政権の責任を軽減するものではない」とした。
バイデン大統領は米軍撤退に関する検証を指示しており、今月になってその結果が公表された。
検証結果は、撤退の際に死者が出たことについて、ドナルド・トランプ前大統領の責任だと結論づけた。また、2020年に当時のトランプ政権が米軍撤退についてタリバンと合意したことをとらえ、そうした前政権の判断によってバイデン政権は「ひどく制約された」とした。









