イギリスの成長率見通し、G20で最低に=IMF

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画像提供, Getty Images

国際通貨基金(IMF)は11日、最新の世界経済見通しを公表し、2023年の世界経済の成長率が昨年の3.4%から2.8%に鈍化する見通しを示した。イギリスの国内総生産(GDP)は0.3%のマイナス成長で、1月のマイナス0.6%から改善を見込むものの、ウクライナ侵攻をめぐり制裁を受けるロシアを含む主要20カ国・地域(G20)の中で最悪の落ち込み幅になるとした。

IMFはまた、世界の金融システムが「険しい道のり」を進むことになると警告した。

これは、先月にアメリカで2銀行が経営破綻し、それから間もなく、スイスの銀行大手クレディ・スイスが、ライバルのUBSに急きょ買収されるなど、再び金融危機が起こるのではないかとの懸念が生じたことを受けてのもの。

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IMFは1月の時点で、イギリスのGDPが今年、0.6%縮小し、主要7カ国(G7)の中で唯一マイナス成長となると予測していた。イギリスは前年に、新型コロナウイルスのパンデミックからの回復を見せ、G7で一番の成長をみせていた。

IMFの研究者たちはこれまで、英経済のパフォーマンス低迷の理由に、同国がガス価格の高騰や金利の上昇、貿易実績の低迷に直面していることをあげていた。

最新のIMFの予測について、ジェレミー・ハント財務相は、「IMFの私たちに対する成長予測は、ほかのどのG7諸国よりも大幅にアップグレードされている」と述べた。

「IMFは、経済成長に向けて私たちが正しい道を歩んでいると示している。計画に沿って行動することで今年のインフレを半分以上抑え、みなさんが受けるプレッシャーを和らげていく」

一方、野党・労働党のレイチェル・リーヴス影の財務相は、この試算は「私たちが国際舞台でどれほど遅れをとり続けているか」を示していると述べた。

「これは13年間にわたる保守党政権下での低成長がこの国の経済を弱体化させている点だけでなく、保守党による住宅ローン違約金に直面し、統計開始以来最も速いペースで生活水準が低下し、家庭の経済状況が悪化しているという点からも重要なことだ」

野党・自由民主党の財務担当スポークスマンのサラ・オルニー氏は、IMFの予測は「保守党政権の経済記録に対する、新たな痛烈な非難」だとした。

今年イギリスが景気後退(リセッション)に陥る可能性は低くなっていると、多くの専門家は予測している。通常、2四半期連続で縮小が見られた場合に、景気後退に陥っていると考えられる。

政府から独立している予算責任局(OBR)は、英経済は今年0.2%縮小するものの、景気後退は回避すると予想している。

イングランド銀行(中央銀行)のアンドリュー・ベイリー総裁も最近、経済について「大きな希望を抱いている」とし、直ちに景気後退に向かうことはもはやないだろうと述べている。

Bar chart showing IMF growth predictions for 2023
画像説明, IMFの2023年の世界経済見通し。マイナス成長はイギリス(0.3%)とドイツ(0.1%)
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世界経済は、新型ウイルスのパンデミックと、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーショックの両方から回復しつつある。

しかしIMFは、最近、世界の金融市場における脆弱(ぜいじゃく)性がもたらした、より広範な影響への懸念があると指摘。

金融セクターがさらなる緊張状態に見舞われれば、世界経済の成長率は今年さらに弱まる可能性があると警告した。

利下げを予測

IMFは、生産性の低下と高齢化により、主要国の実質金利がパンデミック以前の水準まで低下するとの見通しも示した。

イギリス、アメリカ、欧州などの中央銀行は、物価上昇率に対抗するため利上げに踏み切っている。

イギリスではエネルギー価格の上昇や、食品価格の高騰により、インフレ率が過去40年近くで最高を記録している。こうした事態を受け、イングランド銀行は利上げを実施。先月には年4.25%に引き上げた。