ローマ教皇、復活祭のミサ 「元気そう」と安心の声も

アリーム・マクブール、BBCニュース宗教担当編集長(ヴァチカン市国)

Pope Francis

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画像説明, ローマ教皇フランシスコは3月末、呼吸器感染症のため3日間入院していた

イエス・キリストの復活を祝うキリスト教の重要行事、復活祭(イースター)を迎えた9日朝、ヴァチカン市国サン・ピエトロ広場の外には、教皇フランシスコによるミサを待つ数千人が集まった。

オランダが寄付した4万本近い花が彩る広場へ入場が認められると、大勢が良い場所を確保しようと急いだ。走る司祭や修道女の姿もあった。86歳になる教皇フランシスコが復活祭の一連の行事に出席できるのか、わずか数日前まで不安に思っていた人も、その中にはいただろう。

教皇は3月29日に息苦しさのため入院し、呼吸器感染症と診断されたのち、4月1日に退院したばかりだからだ。教皇はその後は、ほとんどの公務をこなした。イエス・キリストのエルサレム入城を記念する「枝の主日」の日曜のミサを2日に司式したのに続き、6日の聖木曜日、キリストが十字架にかけられた日を意味する聖金曜日の7日と、それぞれミサを執り行った。

ただし、聖金曜日の夜にローマのコロッセオで行われ、キリストの受難と人生最後の数時間の様子を伝える「ヴィア・クルチス(十字架の道行、の意味)」の儀式は欠席した。2013年に教皇に即位して以来、初めてのことだった。

退院以降、一連の復活祭行事が続くこの1週間、教皇は時に疲れた様子を見せた。息苦しそうにすることもあった。

それだけに、キリストの復活を祝う9日朝のミサのためにサン・ピエトロ広場に集まった大勢は口々に、教皇の体調を心配し、どのような姿でどのような声を出すのか気にしていた。

しかし最終的に、75分間に及ぶミサを教皇は滞りなく執り行った。体調に問題はなさそうだった。

それに加えてミサが終わると、教皇はとりわけ元気そうに快活な様子で、居並ぶ枢機卿たちの前を車いすで移動し、笑顔であいさつをしてまわった。続けて、オープントップの専用車に乗り込み、集まった信徒たちに手を振った。

Pope Francis gives mass on Easter Sunday at The Vatican

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画像説明, 教皇による復活祭のミサのため、ヴァチカンのサン・ピエトロ広場には数万人が集まった

「教皇は本当にお元気そうだった」と、サリーさんは話した。サリーさんは夫や子供2人と共に、ロンドン近郊メイデンヘッドからヴァチカンを訪れていた。

「群衆が歓声をあげて応援し続けていたし、本人もうれしそうだった。楽しそうにしている様子を見られて、最高だった」

イタリア北西部リグリアからヴァチカンを訪れたというエリアナさんは、「入院中はとても心配だった。特別な存在なので、最新情報を追いかけていた」と話した。

「この聖週間の間の役目を果たしたかったはず。この場にいる姿を見ると、いかに力強い人なのか実感する」

聖週間における自らの役目の締めくくりとして、教皇はサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーに立ち、復活祭のメッセージと祝福「ウルビ・エト・オルビ(都市と世界へ、の意味)」を送った。その中で教皇は、エルサレムとその周辺での平和を祈り、 イスラエルとパレスチナの対立悪化に「深い懸念」を示した。

教皇はさらに、「愛するウクライナの人たちが平和へ向かう旅路を助け」るために祈り、さらに「ロシアの人たちに復活祭の光を照らす」ために祈った。

ウクライナではこのところ、ロシアによる侵攻でウクライナ国民が見舞われている苦難と、ロシア国民が国内で経験している苦難を、教皇がいっしょくたにしているとの批判が一部で出ている。

この朝のミサのために集まった人数は、推定10万人。教皇は世界平和を祈る祝福を終え、大群衆の前から退いた。そうして教皇として年間で最も公務がめじろ押しの、多忙で特別な1週間が終わった。