車を急発進の10代少年、後部座席の警官に撃たれ死亡 米司法省が捜査へ

画像提供, US Park Police
米首都ワシントンで先月、車を急発進させた10代の少年が、後部座席に乗っていた警官に銃で撃たれて死亡する事件が発生した。司法省は5日、この事件に関して捜査を開始すると発表した。
死亡したのは、黒人のダラネオ・マーティンさん(17)。警察によると、先月18日、盗難された多目的スポーツ車(SUV)を複数の警官が発見。運転席でマーティンさんが眠っていたという。
今月4日に公表された警官のボディーカメラの映像では、マーティンさんを逮捕しようとした警官が、マーティンさんの不意をつくように車の後部座席に乗り込んでいる。マーティンさんは警官1人を乗せたまま、車を急発進させている。
警官はマーティンさんに車を止めるよう呼びかけた後、背後からマーティンさんを撃っている。
司法省はこの事件について、公民権をめぐる捜査を行うと発表。「命が失われるのは常に悲劇だが、未成年の死は特に胸が痛む」とした。
また、ボディーカメラの映像は見る人を「非常に動揺させる」と説明。マーティンさんの家族と友人らに追悼の意を表明した。
どう逮捕するか相談したあと
マーティンさんを撃った警官は、国立公園の警備を担当する連邦の公園警察の所属で、名前は明かされていない。事件当時は、ワシントン首都警察との共同捜査中だった。
ボディーカメラ映像では、車のエンジンをかけたまま寝ている様子のマーティンさんをどう逮捕するか、警官らが相談している。これは、午前9時前とされる。
警官らは、仮の窓として使われていたプラスチックフィルムを切り裂き、車が走り去る前にマーティンさんを拘束しようと話し合っている。
ワシントン首都警察の警官が公園警察の警官に、「どうか車の中に閉じ込められないように」と話すのも聞こえる。
その後、マーティンさんは後部座席に警官を乗せたまま、車を走らせた。

画像提供, Police handout

映像では、警官が後部座席から、「止まれ、外に出せ!」と叫んでいる。そして、「止まれ、止まらないと撃つぞ!」と言った数秒後、数回発砲している。
車はその直後に住宅に激突。警察関係者がこの住宅の前庭で、マーティンさんに応急処置を施している。また警官らが、車の中から拳銃1丁が見つかったと話している。
公園警察労働組合のケネス・スペンサー委員長は米紙ワシントン・ポストの取材で、マーティンさんを撃った警官を擁護した。
「この警官が車の中にいたのには合法的な理由があり、銃の使用も正当なものだった。労組はこの警官らの行動を支持する」
一方、マーティンさんの母親テラ・マーティンさんは5日、記者団に対し、「この苦痛はあまりにひどい」と述べ、銃を撃った警官は解雇、起訴されるべきだと訴えた。









